斎太郎節(読み)サイタラブシ

デジタル大辞泉 「斎太郎節」の意味・読み・例文・類語

さいたら‐ぶし【斎太郎節】

宮城県民謡牡鹿おしか半島付近の沿岸で歌われる櫓漕ろこぎ歌。昭和2年(1927)ごろに編曲されたものが「大漁唄い込み」の名で知られる。さいたろうぶし。

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精選版 日本国語大辞典 「斎太郎節」の意味・読み・例文・類語

さいたら‐ぶし【斎太郎節】

  1. 〘 名詞 〙 民謡。宮城県牡鹿半島付近の沿岸で歌われる櫓こぎ歌。安永一七七二‐八一)ころ、石巻の斎太郎という踏鞴(たたら)踏み職人が、鋳銭場で踏鞴をふみながら歌ったのを、のち漁師となり、櫓こぎ歌に代用したのに始まるという。一般には「大漁歌い込み」として有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「斎太郎節」の意味・わかりやすい解説

斎太郎節
さいたらぶし

宮城県松島湾沿岸一円の民謡。同地方でカツオ漁の大漁祝い唄(うた)として歌われてきたもので、その源流は岩手県陸前高田市気仙町周辺の木遣唄(きやりうた)『気仙坂』である。それが、重い物を移動する唄として、また神に捧(ささ)げる祝い唄としての双方の性格から東北地方一円に広まったおり、三陸沿岸一円の漁村にも伝えられた。そして『サイドヤラ』とか『サイタラ節』とよばれていたものに『斎太郎節』の文字をあてた。この『斎太郎節』は1925年(大正14)宮城県桃生(ものう)郡東名(とうな)(東松島(ひがしまつしま)市)の斎藤清次郎によって、のど自慢の会で紹介され、それを聞いた後藤桃水が弟子の八木寿水に節回しを整理させ、自ら歌詞を補作、今日の形に整えて発表、以来海の代表曲として広まった。

竹内 勉]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斎太郎節」の意味・わかりやすい解説

斎太郎節
さいたらぶし

宮城県牡鹿半島,遠島 (としま) 地方で歌われていた民謡。艪漕の際に歌う労作民謡。かつては南部藩,伊達藩の通用銭鋳造の銭吹き歌であったともいわれ,伝説では斎太郎という踏鞴師 (たたらし) が遠島へ流罪となるとき,その銭吹き歌を漁師たちに伝えたともいわれる。さいとこ節,どや節,遠島甚句などともいい,異なる歌詞をいくつか続けて歌っていく場合,大漁歌い込みともいう。トッヤトットまたはエンヤトットというかけ声をはやす。

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