新大橋(読み)しんおおはし

精選版 日本国語大辞典 「新大橋」の意味・読み・例文・類語

しん‐おおはし‥おほはし【新大橋】

  1. ( 両国橋旧称大橋といい、それに次いで架けられたことによる ) 東京都中央区日本橋浜町と江東区新大橋を結んで隅田川にかかる橋。元祿六年(一六九三)両国橋(大橋)の下流架橋江戸時代は東詰は岡場所、西詰広場は船比丘尼の巣窟として知られた。明治四四年(一九一一)現在地に鉄橋を改架。

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日本歴史地名大系 「新大橋」の解説

新大橋
しんおおはし

日本橋浜にほんばしはま町二丁目と江東区新大橋一丁目との間の隅田川に架かる橋。江戸時代から明治までの架橋個所は約一〇〇メートルほど下流であった。江戸市街と埋立開発が進む大川(隅田川)東岸の深川とを結ぶため、元禄六年(一六九三)一二月浜町の水戸徳川家屋敷上地から深川元ふかがわもと(現江東区)へ架された官営の橋(御入用橋)。安政六年(一八五九)再板の尾張屋版切絵図には長さ一一六間とある。千住大橋・両国橋に次いで隅田川筋で三番目に古い橋で、架橋当時両国橋が大橋とよばれていたために新大橋と名付けられた(江戸惣鹿子名所大全)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「新大橋」の意味・わかりやすい解説

新大橋 (しんおおはし)

隅田川に架かる橋。東京都中央区日本橋浜町と江東区新大橋を結ぶ。1693年(元禄6)に着工,完成したが,当時の橋は木橋で,現在の位置より約100m下流にあった。長さは108間(194m余),建設に2343両余の費用を要したという。すでに隅田川には千住大橋と両国橋(大橋)の2橋があったため新大橋と名付けられ,江戸初期以来開発の進んだ本所・深川方面と日本橋との交通の便はこれによってよくなった。橋は松尾芭蕉住居に近く,〈初雪やかけかかりたる橋の上〉〈ありがたやいただいて踏(ふむ)橋の霜〉の句がある。隅田川の反曲点にあったため,風水害による損害は多く,焼失によるものをあわせ修理は江戸時代に30回をこえている。1911年現在地に鉄橋が架け替えられたが,これは鉄橋としては隅田川最古のものである。80年に大幅に修理され,長さ173.4m,幅15.94mの斜張橋となり,旧橋の一部は愛知県犬山市の明治村に移築された。
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