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新心理主義 シンシンリシュギ

デジタル大辞泉の解説

しん‐しんりしゅぎ【新心理主義】

20世紀の初め、精神分析学をもとに、「意識の流れ」や「内的独白」の手法によって人間の深層心理をとらえて描こうとした文芸思潮ジョイスプルーストらがその代表。日本では昭和初期、伊藤整堀辰雄らが取り入れて新感覚派の作風をさらに深めた。

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大辞林 第三版の解説

しんしんりしゅぎ【新心理主義】

現代文学の一傾向。フロイトの精神分析学やベルクソンの哲学を背景に、「意識の流れ」や「内的独白」の手法によって意識・無意識の実体を描き、人間存在の根源を探ろうとするもの。ジョイス・ウルフ・プルーストらがその例。日本では昭和初頭、伊藤整が提唱し、横光利一「機械」、堀辰雄「風立ちぬ」、川端康成「水晶幻想」などで結実した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新心理主義
しんしんりしゅぎ

文芸用語。1930年(昭和5)ごろから32年ごろにかけて、フロイトの精神分析学やジョイス、プルーストらの20世紀文学の方法の影響を受けたわが国の文学者たちの間で「無意識」に対する関心が高まったとき、それを文学の題材、対象、文体などに積極的に取り入れて新しい文学を生み出そうとしておこった一傾向。理論としては伊藤整『新心理主義文学』(1932)、作品としては伊藤整『感情細胞の断面』(1930)、横光利一『機械』(1930)、川端康成(やすなり)『水晶幻想』(1931)などがあげられる。現代文学史上は、プロレタリア文学に対抗し、新感覚派を批判的に継承したモダニズム正統派の地位を与えられているが、概念規定、評価ともにまだあいまいである。[曾根博義]

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