デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「施基皇子」の解説
施基皇子 しきのおうじ
母は道伊羅都売(みちの-いらつめ)。天武天皇8年,異母兄川島皇子とともに,天武天皇の皇子(草壁,大津,高市,忍壁(おさかべ))らと継承争いはしないという吉野の盟約をする。持統天皇3年には,よい説話などをえらび集める撰善言司(よきことえらぶつかさ)に任じられ,文武天皇死去の際には殯宮(もがりのみや)の行事をつかさどる。万葉歌人としても知られる。子の光仁(こうにん)天皇即位後,春日宮天皇と追尊された。霊亀(れいき)2年8月11日死去。芝基,志紀,志貴ともかく。⇒春日宮天皇(かすがのみやてんのう)
【格言など】石(いは)ばしる垂水(たるみ)の上のさ蕨(わらび)の萌(も)え出づる春になりにけるかも(「万葉集」)