旋光計(読み)センコウケイ

関連語 名詞

化学辞典 第2版 「旋光計」の解説

旋光計
センコウケイ
polarimeter

旋光性物質旋光度を測定する装置直線偏光子が光学的に活性な溶液を通過すると,偏光の方位がかわるから,方位の変化(旋光角)を測ることにより,溶液中の光学的活性物質の濃度を知ることができる.たとえば,水溶液100 mL 中にブドウ糖c g を含む溶液 L dm の層について,旋光角がαのときは,

c = 100α/(L[α])
となる.[α]は比旋光度である.比旋光度は温度によっても,光の振動数(または波長)によってもかわるので(たいていは振動数の2乗に比例する),正確な旋光角を測定するには温度を一定にし,単色光を使用する.25 ℃ でナトリウムのD線で測定したときはのように表す.砂糖溶液の濃度を測定するために考案された器械が検糖計である.もっとも簡単な旋光計は,単色光源と2枚の直線偏光子からなる.最初,偏光子を直交させておき,光の通過を止めておく.試料をこの二つの偏光子の間に置く.次に,一方の偏光子を回転して光の通過をふたたび完全に止める.このときの偏光子の回転角が試料の旋光角である.普通の旋光計では視野分割装置を用い,回転角測定の精度をよくするよう工夫されている.肉眼のかわりに光電池を用いて検出する旋光計もあり,これによると0.01°あるいは0.001°まで測定できる.また,この旋光計では可視域以外の波長でも測定できる.旋光計と可変単色光源を組み合わせた分光旋光計もある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「旋光計」の意味・わかりやすい解説

旋光計 (せんこうけい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

栄養・生化学辞典 「旋光計」の解説

旋光計

 偏光計ともいう.旋光性をもつ物質の旋光度を測定する装置.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の旋光計の言及

【検糖計】より

…砂糖計,旋光計,あるいはサッカリメーターともいう。糖の濃度を,その溶液の比旋光度から測定する装置。…

※「旋光計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む