日ノ御埼(読み)ヒノミサキ

デジタル大辞泉 「日ノ御埼」の意味・読み・例文・類語

ひのみさき【日ノ御埼】

和歌山県中西部、紀伊半島西端の岬。灯台がある。煙樹海岸県立自然公園一部日ノ岬

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改訂新版 世界大百科事典 「日ノ御埼」の意味・わかりやすい解説

日ノ御埼 (ひのみさき)

日ノ岬とも書く。和歌山県の中央部西端の岬で,日高郡美浜町に属する。徳島県の蒲生田(かもだ)岬と相対し,これ以北が紀伊水道である。岬の先端にある120万燭光,光達距離29カイリの灯台は1951年設置で,初めのものは1895年設置。江戸時代には遠見番所が置かれていた。美浜町三尾(みお)は明治中期以降海外渡航者が多く俗に〈アメリカ村〉とよばれ,岬にはカナダ移民資料館がある。また遭難した日本漁船を救おうとして死んだデンマーク人ヨハネス・クヌッセンの碑もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日ノ御埼」の意味・わかりやすい解説

日ノ御埼
ひのみさき

和歌山県中部、日高郡美浜(みはま)町にある岬。紀伊半島北西部のリアス海岸南端にあたり、白馬(しらま)山脈が紀伊水道に突出した岬で、四国の蒲生田(かもだ)岬と相対する。岬端(こうたん)に日ノ山(202メートル)がある。北に比井(ひい)浦があり比井御崎(ひいのみさき)ともいう。『万葉集』に風早浜(かざはやのはま)とある海の難所で、和田浦には御埼の守護神という御埼明神社がある。岬端には紀伊藩政期に船見番所が置かれ、いまは自然点滅の日ノ御埼灯台がある。展望広大で煙樹(えんじゅ)海岸県立自然公園に含まれ、近くにはアメリカ村がある。

[小池洋一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日ノ御埼」の意味・わかりやすい解説

日ノ御埼
ひノみさき

日ノ岬とも書く。和歌山県西端,紀伊水道に突出する岬。日高町と美浜町の境に位置し,四国の蒲生田岬と相対する。岬の端に日ノ山 (202m) があり,平安時代狼火 (のろし) 台がおかれたのが名称由来。『万葉集』に「風早の浜」とうたわれた海の難所で,江戸時代から船見番所がおかれていた。灯台,日ノ岬パーク,大賀池などがあり,県下でも代表的な観光地の1つ。煙樹海岸県立自然公園に属する。

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