日本の橋(読み)ニホンノハシ

デジタル大辞泉 「日本の橋」の意味・読み・例文・類語

にほんのはし【日本の橋】

保田与重郎の文化評論本作その他著作により第1回池谷信三郎賞を受賞同名の評論集は昭和11年(1936)刊行

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改訂新版 世界大百科事典 「日本の橋」の意味・わかりやすい解説

日本の橋 (にほんのはし)

保田与重郎の評論。1936年(昭和11)10月《文学界》に発表。ほかに評論5編を収めて同年11月,芝書店から刊行し,第1回池谷信三郎賞を受賞。人工さえほのかにし,つとめて自然の相たらしめようとした日本の橋と,はるかに雄大な人工のみに成立する精神の所産であるローマ人の橋を対比することで,日本の伝統文化のあえかな美しさを抽出しようとした保田の代表作。日本では人工さえその極致においては自然を救うために構想せられた,と保田はいい,それが時代を経るにつれて,人工と自然をもっぱら調和し,淡い透明の中間に心理文学を描いた,としている。〈はし〉には特別な含意があって,〈その終りははるかな彼方へつながれる意味〉だという。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本の橋」の意味・わかりやすい解説

日本の橋
にほんのはし

保田与重郎(やすだよじゅうろう)の評論集。1936年(昭和11)11月芝書店刊。書名の『日本の橋』は同年10月『文学界』に発表され、西洋の橋と日本の橋の意味と役割を比較し、「日本の美がどういふ形で橋にあらはれ、又橋によつて考へられ、次にはあらはされたか」を若い人に訴えた論文。ほかに5編を所収。39年9月東京堂刊の改版では大きな削除と加筆がされた。著者出世作であり、第1回池谷(いけたに)信三郎賞を受賞した。

[都築久義]

『『保田与重郎選集2』(1971・講談社)』

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