日本書紀纂疏(読み)にほんしょきさんそ

改訂新版 世界大百科事典 「日本書紀纂疏」の意味・わかりやすい解説

日本書紀纂疏 (にほんしょきさんそ)

室町時代に書かれた《日本書紀》の注釈書。著者一条兼良神代の巻のみを対象とし,それも一部は散逸して,兼良何歳のころ著作未詳。著者は博学で著名だが,文献学的研究としては鎌倉時代の《釈日本紀》などよりむしろ後退し,神代は儒教仏教教義と照合すれば理解できるとする,いわゆる神儒仏三教一致の思想を展開しており,後世からの注釈書としての評価は低い
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本書紀纂疏」の意味・わかりやすい解説

日本書紀纂疏
にほんしょきさんそ

『日本書紀』の神代巻の注釈書。室町時代の古典学者一条兼良の著。6巻。享保6 (1721) 年刊。神代巻の本文に逐語的に注を施したもので,漢籍,仏典を引用している。室町時代の両部 (りょうぶ) 神道吉田神道影響が認められる。

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旺文社日本史事典 三訂版 「日本書紀纂疏」の解説

日本書紀纂疏
にほんしょきさんそ

室町時代,一条兼良 (かねよし) の『日本書紀』神代巻の注釈書
8巻。鎌倉・室町期に勃興した神道論の影響をうけ,仏教・儒教思想を加味した両部神道立場にたった詳細な注釈。考証的学問価値より神道論的色彩が濃い。

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