内惑星である水星や金星が地球と太陽の間にきて、太陽面上を横切ること。太陽面通過、日面経過ともいう。太陽・内惑星・地球がほぼ直線上に並ぶのは内惑星の昇交点または降交点通過のころに限られるので、水星では5月8日ごろ(降交点)と11月10日ごろ(昇交点)、金星では6月7日ごろ(降交点)と12月9日ごろ(昇交点)におこる。水星の日面通過は20世紀には5月に4回、11月に10回あった。21世紀に入って2003年5月、2006年11月にあり、次は2016年5月である。この5月と11月の回数の差は、水星の軌道の離心率が大きく、11月のほうが地球から遠いためである。金星の日面通過は水星よりはるかにまれで、20世紀中は1回もなく、19世紀は1874年12月と1882年12月の2回、21世紀は2004年6月と2012年6月の2回で、次回は22世紀(2117年12月)である。水星の日面通過は望遠鏡でないと認められないが、金星は肉眼でも見ることができる。金星の日面通過の観測は太陽視差の測定に有効な手段として18世紀ごろには重視されたが、金星大気の存在のため接触時刻の測定が不正確となるので、今日では他の手段の発達によりとられなくなった。
[村山定男]
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…日面通過ともいう。天体が太陽面を横切るように見える現象。…
※「日面通過」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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