早川良雄(読み)はやかわよしお

百科事典マイペディア 「早川良雄」の意味・わかりやすい解説

早川良雄【はやかわよしお】

グラフィックデザイナーイラストレーター。大阪府生れ。大阪市立工芸学校卒。パウルクレー,ベン・シャーン等のモダン・アートの影響を受けながら,柔らかなタッチと卓越した色彩感覚で独自の境地開拓抽象から美人画まで描く。その作品は色彩・画面構成の面で知的な完成度をもつが,同時に情緒的で肉感的なスタイルをも備える。1949年―1955年の初期の代表作である《カロン洋裁研究所ポスター》,《秀彩会ポスター》からその姿勢は貫かれ,1968年―1980年代のシルクスクリーンによる抽象的作品《形状》シリーズに色彩,構図探求足跡を読み取ることができる。1990年代には《モリサワ》や《岩波文庫100冊》のポスター等を制作している。
→関連項目日本宣伝美術協会

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「早川良雄」の意味・わかりやすい解説

早川良雄
はやかわよしお

[生]1917.2.13. 大阪,大阪
[没]2009.3.28. 神奈川,鎌倉
グラフィック・デザイナー,イラストレーター。1936年大阪市立工芸学校工芸図案科を卒業後,三越近鉄百貨店に勤めた。1951年に日本宣伝美術会の創設参加し,1952年にデザイナーとして独立した。淡い色調のイラストレーションを特徴とし,その日本的感覚後進のデザイナーに大きな影響を与えた。海外でも高い評価を得,1955年に日本人として初めて国際グラフィックデザイナー連盟の会員となった。代表作に,「顔」シリーズ,「形状」シリーズなど。作品集『早川良雄の世界――その情感と形状――』(1985)がある。1955年毎日産業デザイン賞,1981年講談社出版文化賞を受賞。1982年紫綬褒章,1988年勲四等旭日小綬章を受章

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「早川良雄」の解説

早川良雄 はやかわ-よしお

1917-2009 昭和後期-平成時代のグラフィックデザイナー。
大正6年2月13日生まれ。三越,近鉄百貨店などに勤務。昭和26年日本宣伝美術会の創設に参加。27年独立。ディスプレー,ポスターの分野で活躍し,イラストレーターとしても知られる。30年第1回毎日産業デザイン賞,56年講談社出版文化賞ブック・デザイン賞。平成21年3月28日死去。92歳。大阪出身。大阪市立工芸学校卒。

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