1498年9月20日(明応7年8月25日)午前8時ころに東海道沖に発生した海洋性巨大地震。既知の史料は,この地震の全貌を明らかにするには,まだ足りない。房総から紀伊にかけての太平洋沿岸で強く感じ,熊野本宮の社殿が倒れ,那智の坊舎が崩れ,湯ノ峰温泉の湧出が止まり,遠江では山が崩れ,地が裂けた。この地震による津波は,紀伊から房総の沿岸を襲い,伊豆の新島では1人が死亡,千葉県小湊では誕生寺が流され,浜名湖の岸が切れて海に通じ,今切という地名が残っている。また伊勢では津波で塩田などに被害があり,塩屋村は180戸がほとんど全滅し,生残者は,わずか4~5人という。《内宮子良館記(ないくうこらかんき)》によると伊勢方面で溺死者1万5000人余という。この地震の規模は,マグニチュード8以上と推定され,京都での余震は8月6回以上,9月17回以上で閏10月まで続いた。
執筆者:宇佐美 竜夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新