昭和・平成期の詩人,随筆家,評論家
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
詩人,評論家,ジャーナリスト,文化史家。名古屋市生れ。本名市橋渉。名古屋時代から詩人として活動し,1924年上京。28年厚生閣書店の雑誌《詩と詩論》の編集を担当,海外新文学の紹介に貢献する一方,みずからも詩人・詩論家として当時のモダニズム文学隆盛に大きな影響力を発揮した。のち第一書房の雑誌《セルパン》,さらに戦前最後の前衛詩誌《新領土》の編集に当たる。当時の主著に《詩の研究》(1931),《ジョイス中心の文学運動》(1933)がある。第2次大戦後,一時海外文化紹介誌《雄鶏通信》の編集に当たったが,その後は独特の百科全書的博識を生かして大著《花の文化史》全3巻(1954-57)に代表される文化史の著述を数多く世に問うている。
執筆者:小島 輝正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
詩人、批評家、ジャーナリスト、文化史家。本名市橋渉(わたる)。名古屋市生まれ。名古屋市立商業中退。夜学で英語を学ぶ。1928年(昭和3)9月『詩と詩論』を創刊。自ら企画した『現代の芸術と批評叢書(そうしょ)』全23巻(1929.4~32.7)をはじめ、『二十世紀英文学の新運動』(1933)、『文学評論』(1934)でモダニズム文学の史的形成に主導的役割を果たした。『植物の断面』(1929)でフォルマリスムの詩的実験を試み、『詩の研究』(1931)、『新しき詩論』(1940)で欧米の詩的思考や方法論を紹介。『セルパン』『詩法』『新領土』『雄鶏(おんどり)通信』など、つねに世界的同時性で現代文化の美と思想の運命を洞察する編集理念は高く評価される。第二次世界大戦後は独自の文化哲学の実践形態として、『花の文化史』『ビール文化史』『おしゃれの文化史』『西洋雑学案内』『万国博』などを刊行。訳書に『フランス現代文学の思想的対立』(R・ミショオ原著、1937)がある。
[千葉宣一]
『小島輝正著『春山行夫ノート』(1980・蜘蛛出版社)』
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出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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