月見野遺跡群(読み)つきみのいせきぐん

日本歴史地名大系 「月見野遺跡群」の解説

月見野遺跡群
つきみのいせきぐん

[現在地名]大和市つきみ野

さかい川支流の目黒めぐろ川流域に位置し、南北二キロにわたる目黒川両岸の台地縁辺に一五ヵ所の先土器時代遺跡が分布している。宅地造成工事によって明らかとなり、このうち四遺跡について昭和四三―四四年(一九六八―六九)発掘調査が行われた。調査は各遺跡とも立川ローム層の上半部までしか行われていないが、厚さ三メートルのローム層中からは、合計十数枚の文化層が発見され、ナイフ形石器や槍先形尖頭器を中心とした石器群の推移を層位的に捕らえることができた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「月見野遺跡群」の意味・わかりやすい解説

月見野遺跡群
つきみのいせきぐん

神奈川県大和(やまと)市下鶴間(しもつるま)所在の目黒川中流域に確認された17か所の先土器時代遺跡の総称。1967年(昭和42)末より明治大学考古学研究室によって八遺跡が調査された。立川ローム層中からは計10層以上の文化層が検出され、石器群の層位的な変遷が明らかにされ、先土器時代の編年を再検討する好資料となった。また、各文化層では石器が集中する部分(ブロック)や焼礫(しょうれき)の集中する部分(礫群)が把握された。これらのブロックや礫群の分析から、先土器時代の集落の成り立ちを明らかにする新しい研究方向が生み出された。

戸沢充則

『月見野遺跡群調査団編『概報・月見野遺跡群』(1969・明治大学)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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