改訂新版 世界大百科事典 「有視界飛行方式」の意味・わかりやすい解説
有視界飛行方式 (ゆうしかいひこうほうしき)
航空機の飛行方式の一つ。十分な視界がつねに確保されるような気象状態では,パイロットは空港および空港周辺で航空交通管制の指示を受けるだけで,あとは独自の判断で自由に飛行できる。これを有視界飛行方式visual flight rulesといい,略してVFRとも呼ばれる。この方式による場合,飛行計画を最寄りの空港事務所に提出するだけで飛行でき,VFRに規定された高度であれば,自由にコースを選ぶことができる。ただし,航空機が計器飛行方式(IFR)に必要な計器を装備し,パイロットもIFR証明の資格をもっていれば,VFRのできる気象状態でもIFRで飛行することは自由で,現在の大型輸送機は航空交通管制の見地からほとんどIFRで飛んでいる。
執筆者:木村 秀政
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報