木幡の幡祭り(読み)こはたのはたまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木幡の幡祭り」の意味・わかりやすい解説

木幡の幡祭り
こはたのはたまつり

福島県二本松市木幡で毎年 12月第1日曜日に行なわれる,羽山(はやま)と呼ばれる山の登拝行事。「お山かけ」とも呼ばれる。18歳前後の少年の成人儀礼にもなっており,1966年までは旧暦 11月18日に行なわれていた。隠津島神社(おきつしまじんじゃ)の氏子である木幡 9地区の行事で,「ごんだち」と呼ばれる初参加の 18歳前後の少年や,色とりどりの布を縫い合わせた五反幡や三反幡,梵天などを持った氏子男性たちが,隠津島神社から羽山山頂の羽山神社まで行列して登る。この際ごんだちの少年たちは,首にわら縄でつくった袈裟,肩に男根をかたどった木太刀をかけ,年長者に導かれてなどを持った男性たちとは別経路で山に登る。途中の岩場でお賽銭と呼ばれる小銭を口にして大岩の割れ目をくぐり抜け,小銭を一度落として拾う胎内くぐりを行なう。全員がくぐり抜けると,「ごんだち呼び」または「ごんだち呼ばり」となり,岩の上に立つ年長者との問答と年長者によるごんだちの命名が行なわれる。羽山神社に着くと,神社手前の小屋で胎内くぐりのときの小銭を差し出して,乳(ちち)と呼ばれるアズキ入りのを食べる。その後,ごんだちは梵天と丸餅を神社に供え,ほかの男性とともに参拝して下山となるが,その際ごんだちだけは,背を向けて拝む背拝みと横向きで拝む横拝みをしてから正面を向いて拝む。2004年国の重要無形民俗文化財指定された。

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デジタル大辞泉プラス 「木幡の幡祭り」の解説

木幡の幡祭り

福島県二本松市木幡(こはた)に伝わる祭り。隠津島神社の氏子の成人男子が五色に染めた大幡を持ち、ほら貝を鳴らしながら木幡山山中の羽山神社を目指して練り歩く。2004年、国の重要無形民俗文化財に指定。

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