日本大百科全書(ニッポニカ) 「本多新」の意味・わかりやすい解説
本多新
ほんだあらた
(1843―1914)
室蘭(むろらん)在住の自由民権家。天保(てんぽう)14年閏(うるう)9月5日、羽前(うぜん)国(山形県)村山郡十日町に農家の長男として生まれる。幼名茂助(もすけ)。江戸の儒者安井息軒(やすいそっけん)の学僕を経て、1872年(明治5)北海道に渡る。73年左院と開拓使に北海道開拓に関する建白書を提出、80年元老院に「国会開設ノ儀」を建白するなど、政治活動、住民運動に参加した。81年自由党結成大会に出席、翌年には自由党札幌支部結成に参加したが、のちに脱党。以後、室蘭最初の学校常盤(ときわ)学校の創立、札幌―室蘭間鉄道敷設運動、室蘭港の軍港化反対、港埋立て運動などに活躍した。大正3年1月12日没。室蘭市立図書館に関係文書が所蔵され、資料目録が発行されている。
[船津 功]