ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
[没]2012.3.3. 奈良
書家。本名杉岡正美。1934年奈良師範学校専攻科卒業。漢字を辻本史邑に,仮名を尾上柴舟,日比野五鳳に師事する。王朝仮名の伝統を引き継ぐ仮名作家として活躍し,1951年日展初入選後,1978年『酒徳』で日展文部大臣賞,1983年『玉藻』で日本芸術院賞を受賞。荘重闊達な表現と造形理論を一体化させ,人間性あふれる書を完成させた。仮名文字芸術の空間構成における極致,「ちらし」に初めて理論的根拠を与えた業績でも知られる。書家としての活動のかたわら,1959年大阪教育大学助教授,1970年同大学教授に就任,1981年名誉教授となる。日本書芸院理事長,日本書道教育会議議長などを歴任し,1989年日本芸術院会員。1995年文化功労者に選ばれ,2000年文化勲章を受章した。(→書)
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