李柏文書(読み)りはくもんじょ(その他表記)Lǐ Bǎi wén shū

改訂新版 世界大百科事典 「李柏文書」の意味・わかりやすい解説

李柏文書 (りはくもんじょ)
Lǐ Bǎi wén shū

第2回大谷探検隊が1909年3~4月ころタリム盆地を流れるコンチ・ダリヤ下流の廃墟で発見した前涼の西域長史李柏の尺牘(せきとく)の草稿。晋の咸和3年(328)ころのもので,羽田亨により《晋書》巻八十六の張駿伝に見える李柏の文書と考証されてより世界的に有名となり,ペリオ,シャバンヌ,スタイン王国維等が論考を加えた。出土地を楼蘭とする森鹿三の説やその反論などがあって,現在もしばしば話題になる。京都の竜谷大学に所蔵される。
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関連語 大庭

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李柏文書」の意味・わかりやすい解説

李柏文書
りはくもんじょ
Li-bai-wen-shu; Li-paiwên-shu

1909年,大谷探検隊の橘瑞超がロプノール湖沿岸の楼蘭付近の「海頭」で入手したもの。五胡十六国の前涼 (→ ) の4代目張駿 (324~346) のもとで西域経略を行なった西域長史の李柏が,東晋の咸和3 (328) 年頃焉耆 (えんき) 王の龍煕に送るため,「海頭」の地でしたためた漢文書簡の草稿2通をいう。ほかに数十点の断片がある。当時の西域の政治情勢や歴史地理の解明にとって,刊本史料を裏づけたり補ったりする根本史料として重要。中国書道史の面からも貴重なものとされる。首尾完全な2通は国の重要文化財。龍谷大学蔵。

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