杖立(読み)つえたて

改訂新版 世界大百科事典 「杖立」の意味・わかりやすい解説

杖立[温泉] (つえたて)

熊本県阿蘇郡小国町,大分県境に近い筑後川上流の杖立川沿いにある温泉弘法大師が立てた杖に芽が出たという伝説や,入湯して病の治った人が持っていた杖を立てて帰ったという話が残る。湯治場として発展するのは藩政時代からで,川沿いに肥後から天領日田へ通じる道筋(現,国道212号線)があったため,長崎奉行一行や多くの文人墨客も立ち寄った。泉質食塩泉泉温は80~100℃で冷却して利用する。渓流をはさんで旅館が建ち並び,福岡や熊本方面からの客が多い。
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関連語 政教 岩本

百科事典マイペディア 「杖立」の意味・わかりやすい解説

杖立[温泉]【つえたて】

熊本県北端,小国町にある温泉。弱食塩泉。80〜100℃。杖立川の渓谷にわき,771年発見と伝える。高温のため蒸気炊事に利用。久大本線日田駅,豊肥本線阿蘇駅からバス
→関連項目小国[町]耶馬日田英彦山国定公園

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世界大百科事典(旧版)内の杖立の言及

【杖】より

…このため杖は境界を限る牓示(ぼうじ)としての役割を果たし,とくに俗界と聖界の境を示す場合,忌杖(いみづえ)と呼ばれている。また杖立(つえたて),杖突(つえつき)などの地名にまつわる伝説もこれと関連することが多い。杖に占有権が認められたのは,杖を依代(よりしろ)として神が降臨してくると考えられていたからである。…

※「杖立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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