小国町(読み)おぐにまち

日本歴史地名大系 「小国町」の解説

小国町
おぐにまち

面積:七三八・五八平方キロ

長井市によって南北に分断された郡の南側西端に位置し、北は新潟県岩船いわふね朝日あさひ村、西は同県村上市・岩船郡関川せきかわ村、南西は同県北蒲原きたかんばら黒川くろかわ村・新発田しばた市、南は同県東蒲原郡鹿瀬かのせ町、東は飯豊いいで町・長井市、北東は西村山郡朝日町・西川にしかわ町にそれぞれ接する。町域は広大で、県総面積の約七・九パーセントを占めるが、大部分が山地であり、平地は四パーセント余にすぎない。北は大朝日岳(一八七〇・三メートル)を主峰とする朝日山地、南は二〇〇〇メートル級の山が連なる飯豊山地に画され、東・西は両山地をつなぐ一〇〇〇メートル内外の山稜が走る。これらの山並で周囲から隔絶された谷底盆地(小国盆地)を中心とする当町は古くから小国(郷)と称されていた。全町域が日本海に注ぐ一級河川あら川の水系に属し、町の北部を占める本流域、中央部の支流よこ川流域、南西部の支流たま川流域に大別される。

荒川本流は朝日岳・西朝日岳などを水源とし、左岸に石滝いしだき川・金目かなめ川・横川・玉川などを合せ関川村へ抜ける。

小国町
おぐにまち

面積:八五・九三平方キロ

東の関田せきだ山地と西の八石はちこく(約五一七メートル)を主軸とする八石山地の間の中央を、両山地から流れる沢水を集めて渋海しぶみ川が北流する。集落は小国盆地と通称する渋海川両岸河岸段丘と両山地山麓の段丘面に発達。近世には右岸沿いの村々は小国東組(小国谷東組)、左岸沿いの村々は小国西組(小国谷西組)に編成されていた。北は三島さんとう越路こしじ町、東は小千谷おぢや市、南は高柳たかやなぎ町・中魚沼郡川西かわにし町、西は柏崎市。豪雪地帯である。道は長岡と松代まつだい(現東頸城郡松代町)を結ぶ渋海川右岸沿いの道(長岡―小国―松代線)と、はらで合流する柏崎と塚野山つかのやま(現越路町)松代を結ぶ左岸沿いの道(塚山―小国線)のほか右岸沿いの道から分岐して関田山地の桐沢きりさわ峠・小国峠・道見どうけん峠越で茶郷ちやごう川流域の集落(現小千谷市)と連絡する道、左岸沿いの道から分岐して武石たけいし峠・久之木くのき峠・石川いしかわ峠・田島たじま峠・大沢おおさわ峠越で鯖石さばいし川流域の集落(現柏崎市)と連絡する道がある。

小国町
おぐにまち

面積:一三六・七二平方キロ

阿蘇郡の北端に位置し、東は大分県玖珠くす九重ここのえ町、北は玖珠郡玖珠町、北から西にかけては大分県日田ひた天瀬あまがせ町・大山おおやま町・中津江なかつえ村・上津江かみつえ村、南は南小国みなみおぐに町に接する。町のほぼ中央を南北に杖立つえたて川が周囲の支流を集め、筑後川に注ぐ。地形は起伏が多く、山間の盆地に集落が点在する。国道二一二号が南北に、国道三八七号が東西に走り、宮原みやばる付近で交差する。肥後小国駅は国鉄宮原線の終着駅であったが、昭和五九年(一九八四)一一月廃止された。

小国町
おぐにまち

[現在地名]村上市小国町

安良あら町より西へ直進し、中央部は北東しお町から南進してくる坂道と、飯野いいの方面から北進する道が合し十字路をなしている。町の長さ二町四四間。寛永一二年(一六三五)の村上惣町並銘々軒付帳(本間喜千郎氏蔵)に「小国町」とみえ、家数六〇。うち一軒が肝煎、四軒が無役で、「右之内新屋敷五軒分御役仕候」とある。十人組頭・鉄砲衆・油屋・左官・鷹師衆・「ときや」・「かゝ」・「ほり物や」などがいた。

小国町
おぐにまち

[現在地名]米沢市ひがし一―二丁目

信濃しなの町の南に続く下級家臣(原方衆)屋敷町。信濃町を通る上片子かみかたこ道に並行な南の脇道に沿う両側町花沢はなざわ八町の一。明和六年(一七六九)の原方屋敷絵図(市立米沢図書館蔵)によれば家数一三五。弘化三年(一八四六)の屋敷割帳では段母衣・御弓・会所員などの屋敷八八、神社一、空屋三七、武芸所一。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小国町」の意味・わかりやすい解説

小国〔町〕
おぐに

熊本県北東端,阿蘇外輪山北麓,小国盆地にある町。 1935年町制。小国杉は有名で,九州の代表的林業地域。植林と製材のほかダイコン,シイタケの栽培が盛ん。 57年オーストラリア産のジャージー種の乳牛を導入。以来,広い原野を利用して酪農が発展し,阿蘇畜産の先進地となっている。天然記念物の下の城のイチョウ,阿弥陀スギがあり,杖立川沿いに杖立温泉,湧蓋山麓に,はげノ湯温泉がある。町域の北部は耶馬日田英彦山国定公園,東部は阿蘇くじゅう国立公園に属する。国道 212号線,387号線が通る。面積 136.94km2(境界未定)。人口 6590(2020)。

小国〔町〕
おぐに

山形県南西端,小国盆地とその周囲の山地を含む町。北,西,南の三面が新潟県に接し,南北に細長い町域を占める。 1942年町制施行。 54年南小国村,北小国村と合体し,60年津川村を編入。地名は小さい国の意にちなむといわれる。北東部は朝日山地,南東部は飯豊山系に属し,中央西部の小国盆地以外は大部分が山岳地帯。ブナ材の産出が豊富。長者原,赤芝渓谷に発電所が建設され,豊富な工業用水と電力資源を利用する重化学工場が立地。北部と南東部は磐梯朝日国立公園に属する。中央を JR米坂線,国道 113号線が横断している。面積 737.56km2(境界未定)。人口 7107(2020)。

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