20世紀日本人名事典 「松村一人」の解説
松村 一人
マツムラ カズト
昭和期の哲学者,評論家 元・法政大学教授。
- 生年
- 明治38(1905)年7月11日
- 没年
- 昭和52(1977)年6月22日
- 出生地
- 山口県下松市
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学文学部哲学科〔昭和8年〕卒
- 経歴
- 文部省雇員となり、プロレタリア科学研究所、唯物論研究会などにおいて、マルクス主義の立場からヘーゲル、弁証法的唯物論の研究を進めた。昭和10年前後、「哲学におけるレーニン的段階」をめぐる論争に参加、永田広志や大森義太郎を批判。9年日本プロレタリア科学同盟中央書記局員、日本プロレタリア文化連盟書記局員として検挙され、起訴留保で出獄。戦後日本共産党に入党。民科哲学部会に属した。22年民主主義科学者協議会設立では雑誌「理論」の編集を指導。「主体性論争」では梅本克己の実存主義的傾向を批判した。その後毛沢東「実践論・矛盾論」により弁証法研究を進めたが42年共産党を除名され、日中友好協会正統本部理事。34年法政大学講師、助教授を経て39〜51年教授。著書に「弁証法とはどういうものか」「ヘーゲルの論理学」「弁証法の発展」「毛沢東思想と現代修正主義」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報