針葉樹の根を掘り出し,熱をかけて乾留して得られる油。普通にはマツの根からとったものをいう。収量は10~20%。熱をかけ乾留したとき初めにでてくる部分だけを松根油とよぶこともある。あとにでてくるものは松根タールともいう。乾留して得たものを蒸留して,200℃以下のもの(テレビン油),200~300℃で留出するもの(パインオイル)を得,あとにピッチを残す。松根油からとったテレビン油はウッドターペンティンの名で利用されている。主成分はモノテルペン(ピネン,カンフェンなど)のほかトルエンなども含む。殺虫剤の原料,溶剤のほか,オクタン価の高いことから第2次大戦中航空機燃料として使われた。パインオイルの主成分はジテルペンやセスキテルペンなどで,ほかにフェノール類が存在する。製紙用サイズ剤などに使われる。主生産国はアメリカ,中国で,日本は全量を輸入している。
執筆者:善本 知孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...