根切虫(読み)ねきりむし

精選版 日本国語大辞典 「根切虫」の意味・読み・例文・類語

ねきり‐むし【根切虫】

〘名〙 昆虫類幼虫で、農作物の苗の根を食害または食い切る害虫総称カブラヤガヨトウガ、モクメヤガなどの土中にもぐるガ類の幼虫、甲虫類ではコガネムシ類の幼虫をいう。ねきり。《季・夏》
※俳諧・桜川(1674)秋一「穴かなし巤か草のねきりむし〈明全〉」

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デジタル大辞泉 「根切虫」の意味・読み・例文・類語

ねきり‐むし【根切虫】

土中にいて作物根際をかみ切る虫。カブラヤガ・タマナヤガなどのヤガ類や、コガネムシ類の幼虫。 夏》

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改訂新版 世界大百科事典 「根切虫」の意味・わかりやすい解説

根切虫 (ねきりむし)

鱗翅目ヤガ科のカブラヤガの幼虫の俗称。幼虫は地表に潜み,夜間に各種の草本の葉を食べるが,しばしば植物の苗を根ぎわでかみ切って枯死させるため,とくに園芸害虫としてきらわれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「根切虫」の意味・わかりやすい解説

根切虫
ねきりむし
cutworm

タマナヤガ,カブラヤガなどヤガ科の幼虫やヒメコガネ,スジコガネなどコガネムシ科の幼虫は地中に生息し,各種植物の茎や根を食害する性質があるため,これらを俗に根切虫という。ヤガ科の幼虫では夜間地上に現れ,茎や葉を食害するものもあるが,これらはヨトウムシまたはヤトウムシ (夜盗虫) という。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「根切虫」の解説

根切虫 (ネキリムシ)

動物栽培植物の根際を食い枯らす害虫の総称

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世界大百科事典(旧版)内の根切虫の言及

【ガ(蛾)】より

…ニカメイガの幼虫はズイムシあるいはメイチュウと呼ばれ,日本で稲作の大害虫である。(3)土中に潜んでいて葉や茎を食べるもの いわゆる根切虫と呼ばれるもので,タマナヤガ,カブラヤガ,ヨトウガなどは,花卉,野菜の害虫である。(4)花芽やつぼみをおもに食べるもの ナシマダラメイガ(ナシ),エゾギクトリバ(エゾギク,キンレイカ,ダリアその他),ベニモンアオリンガ(ツツジ)。…

【カブラヤガ(蕪夜蛾)】より

…幼虫は昼間は地表に潜み,夜間低い植物上に上って葉を食べる。このガの幼虫がネキリムシ(根切虫)と呼ばれるのは,草花や作物の苗の根際に加害切断して茎を倒す習性があるためである。分布は広く,ユーラシア大陸一円にわたり,日本でも琉球諸島以外ではふつうに見られる。…

【コガネムシ(黄金虫∥金亀子)】より

…食糞群は動物の糞の分解者(清掃者)として役だっているが,食葉群の成虫には葉や花を食べ,幼虫には根を食べるものが多いことから,農林業上の,あるいは果樹園芸,花卉園芸上の害虫として知られる。幼虫はジムシ,根切虫とも呼ばれる。成虫,幼虫が害虫としてよく知られる種類として,アシナガコガネ,ビロードコガネ(イラスト)類,クロコガネ,マメコガネ,スジコガネ(イラスト),ドウガネブイブイ,ヒメコガネ,セマダラコガネ,コアオハナムグリなどがあげられる。…

※「根切虫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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