ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桂米丸」の意味・わかりやすい解説
桂米丸(4世)
かつらよねまる[よんせい]
[没]2024.8.1. 東京
落語家。本名須川勇。饒舌な語りとかん高い声で,庶民の生活などを題材にした創作落語を披露し,人気を集めた。
東京都立化学工業専門学校卒業。1946年,5世古今亭今輔に入門。師匠から新作落語の英才教育を受け,1947年古今亭今児を名のり二つ目で初高座。1949年真打ちに昇進し,4世桂米丸を襲名。洗練された話しぶりが好評となり,テレビの演芸番組の司会などでも活躍した。入門から 60年以上新作ひと筋で,現代サラリーマンを主人公にした新作落語『相合傘』『玄関の扉』(古城一兵作),『狭き門』(大野桂作)などや,日常生活のおもしろいひとこまを描いた自作『レストラン』,映画を題材にした『ジョーズのキャー』などを口演。また 1968年には日本放送協会 NHKの実験番組で SF落語『宇宙戦争~賢明な女性たち』(星新一原作,神津友好脚色)を口演した。1976年落語芸術協会(当時は日本芸術協会)会長に就任,副会長の 5世春風亭柳昇の協力を得て,協会運営にも尽力した。1999年,会長を勇退し最高顧問に就任。1992年紫綬褒章,1998年勲四等旭日小綬章受章。著書『落語家米丸笑いの引き出し』(2000)。弟子に,桂歌丸,桂米助らがいる。
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