桂米丸(読み)かつらよねまる[よんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桂米丸」の意味・わかりやすい解説

桂米丸(4世)
かつらよねまる[よんせい]

[生]1925.4.6. 神奈川,横浜
[没]2024.8.1. 東京
落語家本名須川勇。饒舌な語りとかん高い声で,庶民の生活などを題材にした創作落語を披露し,人気を集めた。
東京都立化学工業専門学校卒業。1946年,5世古今亭今輔入門師匠から新作落語英才教育を受け,1947年古今亭今児を名のり二つ目で初高座。1949年真打ちに昇進し,4世桂米丸を襲名。洗練された話しぶりが好評となり,テレビの演芸番組の司会などでも活躍した。入門から 60年以上新作ひと筋で,現代サラリーマンを主人公にした新作落語『相合傘』『玄関の扉』(古城一兵作),『狭き門』(大野桂作)などや,日常生活のおもしろいひとこまを描いた自作『レストラン』,映画を題材にした『ジョーズのキャー』などを口演。また 1968年には日本放送協会 NHKの実験番組で SF落語『宇宙戦争~賢明な女性たち』(星新一原作,神津友好脚色)を口演した。1976年落語芸術協会(当時は日本芸術協会)会長に就任,副会長の 5世春風亭柳昇の協力を得て,協会運営にも尽力した。1999年,会長を勇退し最高顧問に就任。1992年紫綬褒章,1998年勲四等旭日小綬章受章。著書『落語家米丸笑いの引き出し』(2000)。弟子に,桂歌丸,桂米助らがいる。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「桂米丸」の解説

桂米丸(4代) かつら-よねまる

1925- 昭和後期-平成時代の落語家。
大正14年4月6日生まれ。昭和21年5代古今亭今輔に入門,今児を名のる。24年4代を襲名。スマートな芸風で新作落語を中心活動。51年落語芸術協会会長,平成11年勇退して同協会顧問,のち最高顧問。神奈川県出身。本名は須川勇。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の桂米丸の言及

【落語】より

…軽妙な3代春風亭柳好(りゆうこう)(1889‐1956),明快な弁舌の3代三遊亭金馬,粋な3代桂三木助,近代落語の巨星8代桂文楽,独特の名人芸の5代古今亭志ん生,持ちネタの数と至芸を誇った6代三遊亭円生,人情噺,芝居噺の名手林家彦六(8代林家正蔵),新作の闘将5代古今亭今輔(いますけ)(1898‐1976)などが黄金時代を形成した。 1985年現在の東京には,〈落語協会〉に,滑稽噺の名手5代柳家小さん,新作の3代三遊亭円歌(1929‐ ),繊細で粋な2代古今亭志ん朝(1938‐ ),滑稽噺の人気者8代橘家円蔵(1934‐ ),飄逸な個性の10代柳家小三治(1939‐ )らがおり,〈芸術協会〉に,明朗な新作の4代桂米丸(よねまる)(1925‐ ),飄々たる妙味の新作の3代春風亭柳昇(1920‐ ),滑稽噺の10代桂文治らがおり,ほかに5代三遊亭円楽(1933‐ )一門,5代立川談志(1936‐ )一門などがあるが,志ん生,文楽などを筆頭にした名人上手の消えた穴は大きい。 一方,同じく現在の上方は,6代笑福亭松鶴(しよかく),3代桂米朝(べいちよう),3代桂春団治,3代桂小文枝(こぶんし)(1939‐ )などのベテランにつづいて,桂三枝(1943‐ ),2代桂枝雀(しじやく)(1939‐ ),桂文珍(ぶんちん)(1949‐ )などの若手が全国的な人気を集め,落語向きの寄席がないという悪条件のなかで,上方落語復興に精進をつづけている。…

※「桂米丸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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