古今亭今輔(読み)ここんていいますけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「古今亭今輔」の意味・わかりやすい解説

古今亭今輔
ここんていいますけ

落語家。

[関山和夫]

初代

(1832―89)本名福原常蔵。初代古今亭志ん生(しんしょう)門人寿六(じゅろく)から今輔。のち2代志ん生となる。

[関山和夫]

2代

(1859―98)本名名見崎(なみざき)栄次郎。2代志ん生門人志ん丸から志ん多を経て今輔となった。音曲(おんぎょく)師。

[関山和夫]

3代

(1869―1924)本名村田政次郎。2代志ん生門下。のち3代小さん門下となり、小三治を経て襲名。せっかちの今輔の異名あり。

[関山和夫]

4代

(1886―1935)本名中島市太郎。大阪で3代桂(かつら)文三門人で小文。東京へきて初代円右(えんう)門人となり右女助(うめすけ)を名のる。1926年(大正15)4代今輔を襲名。

[関山和夫]

5代

(1898―1976)本名鈴木悟郎。初代円右門から3代小さん門に移り、さらに桂小文治門となる。桂米丸(よねまる)から1941年(昭和16)今輔襲名。三遊亭円朝門下の一朝(いっちょう)より芝居咄(ばなし)を学ぶ。のち新作落語「お婆(ばあ)さんもの」で活躍。『ラーメン屋』が傑作。古典では『もう半分』『死神』『塩原多助』を得意とした。『今輔の落語』『今輔・おばあさん衆』などの著書を残す。

[関山和夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の古今亭今輔の言及

【落語】より

… 昭和落語の全盛期は,第2次大戦後,民間放送発足後におとずれた。軽妙な3代春風亭柳好(りゆうこう)(1889‐1956),明快な弁舌の3代三遊亭金馬,粋な3代桂三木助,近代落語の巨星8代桂文楽,独特の名人芸の5代古今亭志ん生,持ちネタの数と至芸を誇った6代三遊亭円生,人情噺,芝居噺の名手林家彦六(8代林家正蔵),新作の闘将5代古今亭今輔(いますけ)(1898‐1976)などが黄金時代を形成した。 1985年現在の東京には,〈落語協会〉に,滑稽噺の名手5代柳家小さん,新作の3代三遊亭円歌(1929‐ ),繊細で粋な2代古今亭志ん朝(1938‐ ),滑稽噺の人気者8代橘家円蔵(1934‐ ),飄逸な個性の10代柳家小三治(1939‐ )らがおり,〈芸術協会〉に,明朗な新作の4代桂米丸(よねまる)(1925‐ ),飄々たる妙味の新作の3代春風亭柳昇(1920‐ ),滑稽噺の10代桂文治らがおり,ほかに5代三遊亭円楽(1933‐ )一門,5代立川談志(1936‐ )一門などがあるが,志ん生,文楽などを筆頭にした名人上手の消えた穴は大きい。…

※「古今亭今輔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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