梅堯臣(読み)ばいぎょうしん

精選版 日本国語大辞典 「梅堯臣」の意味・読み・例文・類語

ばい‐ぎょうしん‥ゲウシン【梅堯臣】

  1. 中国北宋詩人。字(あざな)は聖兪(せいゆ)。宛陵(えんりょう)先生と称された。蘇舜欽・欧陽脩らとともに盛唐詩風を範とし、当時流行の西崑体を廃し、宋詩革新を行なった。著「宛陵先生集」など。(一〇〇二‐六〇

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「梅堯臣」の意味・わかりやすい解説

梅堯臣
ばいぎょうしん
(1002―1060)

中国、北宋(ほくそう)の詩人。字(あざな)は聖兪(せいゆ)。宣城(安徽(あんき)省)の農民の子。叔父が大官になったので官職を得たが、科挙を通らなかったので、低い地位に終わった。不遇のため満たされぬ思いを詩に注ぎ込み、親友の欧陽修(おうようしゅう)から「詩のよく人をして窮せしむるにあらずして、ほとんど窮して後に工なるなり」といわれた。妻や近親の死を悼む詩、シラミなど不潔な動物の詩、貧しい農民の詩など、生活の負の局面に異常な興味を示すその詩風は、古硬といわれる。欧陽修、蘇舜欽(そしゅんきん)とともに宋詩創造の第一線にたった。『宛陵(えんりょう)集』61巻がある。

[入谷仙介]

『筧文生注『中国詩人選集二集3 梅堯臣』(1962・岩波書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「梅堯臣」の意味・わかりやすい解説

梅堯臣
ばいぎょうしん
Mei Yao-chen

[生]咸平5(1002)
[没]嘉祐7(1062)
中国,北宋の詩人。宣州宣城 (安徽省) の人。字,聖兪。号,宛陵。科挙に合格しなかったため,地方官を転々とし,晩年にようやく中央の官についた不遇の身であったが,詩名は早くから高く,西昆派の形骸化した晩唐模倣から脱して,多面的な題材を,つとめて感情を抑制した平淡な詩境でうたった。官界では彼の庇護役であった欧陽修も,詩ではむしろ梅堯臣によって啓発された面が多く,さらに蘇舜欽を加えた3人によって,宋詩は本格的な独自の展開を促された。『宛陵先生文集』 (60巻) がある。

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