日本歴史地名大系 「棚倉町」の解説 棚倉町たなぐらまち 福島県:東白川郡棚倉町面積:一五九・八二平方キロ東白川郡北部に位置し、東は鮫川(さめがわ)村、西は八溝(やみぞ)山地を隔てて栃木県那須(なす)郡那須町・同郡黒羽(くろばね)町、南は塙(はなわ)町・矢祭(やまつり)町、茨城県久慈(くじ)郡大子(だいご)町、北は西白河郡表郷(おもてごう)村・東(ひがし)村、石川郡浅川(あさかわ)町に接する。町名は元和八年(一六二二)入部した丹羽長重が近津(ちかつ)明神を遷宮して跡地(もと同社の御玉棚をつるした所)に築城して棚倉(城)と称したことに由来するという。なお当地は「和名抄」白河郡入野(いの)郷に比定され、古くは伊野(いの)とも称し穀を蓄える種倉があったことからの地名ともいう(東白川郡史)。町の中心地は久慈川の河岸段丘に広がり、県内では最も温暖な地である。八溝山地を水源とする久慈川をはじめ白子(しろこ)川・近津川・根子屋(ねこや)川および阿武隈川支流の社(やしろ)川が流れる。林野が全面積の約八割で八溝国有林を中心とする林産資源が豊富である。交通はJR水郡線が走り、磐城棚倉・近津・中豊(なかとよ)の三駅がある。水郡線に沿って国道一一八号、一部同線に交差する国道二八九号が抜ける。昭和三二年(一九五七)に営業が開始された白棚高速バスが旧白棚鉄道の路線上を走り、JR東北新幹線新白河(しんしらかわ)駅・JR東北本線白河駅を結んでいる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「棚倉町」の意味・わかりやすい解説 棚倉〔町〕たなぐら 福島県南東部,久慈川上流に沿う町。 1889年町制。 1955年社川 (やしろがわ) 村,高野村,近津山岡 (ちかつやまおか) 組合村と合体。中心地区は河岸段丘上に発達し,寛永1 (1624) 年丹羽氏築城による棚倉城 (亀ヶ城) の城下町として発展。幕末には阿部氏 10万石の城下町で内堀,土塁などが残っている。川沿いには水田が開け,周辺部では木材を産し,コンニャクを特産。自動車部品や衛生用品の工場もある。都々古別 (つつこわけ) 神社がある。奥久慈県立自然公園に属する。 JR水郡線,国道 118号線,289号線が通る。面積 159.93km2。人口 1万3343(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by