植松寿樹(読み)うえまつひさき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「植松寿樹」の意味・わかりやすい解説

植松寿樹
うえまつひさき
(1890―1964)

歌人。東京生まれ。慶応義塾大学理財科卒業。窪田空穂(くぼたうつぼ)に師事し、1921年(大正10)歌集庭燎(にわび)』で冴(さ)えた感性の作を示した。以後『光化門』(1929)、『枯山水(かれさんすい)』(1939)、『白玉の木』(1964)と滋味気品を加えていった。46年(昭和21)歌誌沃野(よくや)』を創刊主宰。『新釈橘曙覧(たちばなあけみ)歌集』(1926)など近世和歌に関する著書もある。

武川忠一

 眼(め)を閉ぢて深きおもひにあるごとく寂寞(じゃくまく)として独楽(こま)は澄めるかも

『『植松寿樹全歌集』(1976・新星書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「植松寿樹」の解説

植松寿樹 うえまつ-ひさき

1890-1964 大正-昭和時代の歌人。
明治23年2月16日生まれ。窪田空穂(くぼた-うつぼ)にまなび,「国民文学」創刊に参加,主要同人。第1歌集「庭燎(にわび)」がたかく評価される。昭和21年「沃野(よくや)」を創刊,主宰した。昭和39年3月26日死去。74歳。東京出身。慶大卒。著作に「新釈橘曙覧(たちばなあけみ)歌集」など。
格言など】西蔵(チベツト)のはだか菩薩の絵を見れば男のなやみあへて隠さず(「庭燎」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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