植物社会学(読み)ショクブツシャカイガク(その他表記)plant sociology

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改訂新版 世界大百科事典 「植物社会学」の意味・わかりやすい解説

植物社会学 (しょくぶつしゃかいがく)
plant sociology

植物群落の単位,分類,構造,分布,環境,動態などを研究する植物生態学の一分野。狭義には,チューリヒ・モンペリエ学派ZM学派)の研究方法による植物群落学を意味し,日本では現在その意味で使われている。この学派はチューリヒ大学のリューベルE.Rubelやモンペリエ大学ブラウン・ブランケJ.Braun-Blanquetを中心に形成されたので,こうよばれる。植物社会学では,群落を構成する植物の間や環境との相互作用により植物群落が形成されると考える。とくに,一定の種組成をもつ単位性(不連続性)のある存在だと植物群落をみなし,標徴種や識別種という特定の種群の有無に基づいて群落を区分し,分類学のように決めた規約にしたがって群落の命名を行うところが,ZM学派の独自なところである。分類学における種にあたる基本単位は,ZM学派の群落分類では群集associationであり,それより上位には順に,群団,オーダー,クラスが,下位には亜群集,変群集などが単位として設けられている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「植物社会学」の意味・わかりやすい解説

植物社会学
しょくぶつしゃかいがく
plant sociology

植物の群落を対象とする植物学の一分科。すなわち,植物群落の形態や分類,群落と生態との関係,群落の物質的収支や群落の遷移,群落の分布などについて研究する。

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