橈脚類(読み)トウキャクルイ

デジタル大辞泉 「橈脚類」の意味・読み・例文・類語

とうきゃく‐るい〔タウキヤク‐〕【×橈脚類】

甲殻綱橈脚亜綱の節足動物総称。主に海産で、動物プランクトンとして種類数・量が多く、魚類の天然飼料として重要。体は楕円形で1~4ミリのものが多い。ケンミジンコ・ソコミジンコなど。かいあしるい。

かいあし‐るい【×橈脚類】

とうきゃくるい(橈脚類)

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精選版 日本国語大辞典 「橈脚類」の意味・読み・例文・類語

とうきゃく‐るいタウキャク‥【橈脚類】

  1. 〘 名詞 〙 節足動物門甲殻綱の一亜綱。体は一般に小さく、体長一~四ミリメートルのものが多い。動物プランクトンの中では種類数、数量ともに多く、魚類の天然飼料として非常に重要。浮遊生活をするもの以外に、底生あるいは寄生生活を行なうものもある。雌雄異体。受精後、幼生は何度も変態して成体になる。淡水汽水海中にすむが、海産種が最も多く、表層から数千メートルの深層まで分布。かいあしるい。

かいあし‐るい【橈脚類】

  1. 〘 名詞 〙 甲殻類に属するケンミジンコの類。体長一~四ミリメートルで、体は頭部胸部腹部に区別される。浮遊性と寄生性のものがあり、浮遊性のものは海水、淡水の至る所にすみ、特に魚類の重要な天然飼料となる。寄生性のものは、特殊な形をしたものが多く、魚類、両生類ホヤ類イソギンチャク類などに寄生する。とうきゃくるい。

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改訂新版 世界大百科事典 「橈脚類」の意味・わかりやすい解説

橈脚類 (じょうきゃくるい)

橈脚亜綱Copepodaに属する甲殻類の総称。コペポーダまたは胸節にある5対の遊泳脚を,ボートをこぐ橈(かい)(オール)のように動かして泳ぐのでカイアシ類とも呼ばれる。海洋および陸水のプランクトンに多数出現し,主要な部分を占め,魚類などの重要な天然飼料となる。体は楕円形をした前体部(頭部と第1,ときに第2胸節と融合した頭胸部に続く4~5胸節)と細長い後体部(後方の2または1胸節と腹部)の2部からなる。前体部と後体部とは互いに可動に関節し,この境界の位置は種類によって異なる。海洋・汽水・淡水中で浮遊生活をするもの,水底や水草上をはったり,砂粒の隙間にすむなどして底生生活に適応しているもの,なかには6000mを超える深海底から採集される種類もある。湿地の蘚苔(せんたい)類の間にすむものもあれば,甲殻類や他の動物の外部や内部寄生虫となっているものも多い。このような多様な生活様式に応じて,生態および形態上の変化も著しい。高度な寄生生活をする種類では,外観上まったく蠕虫(ぜんちゆう)の形と変わらないものさえある。体長はふつう1~3mmくらい,寄生性のウオジラミ類では非常に大きく(十数cm)なる種類もある。ノープリウス期で孵化(ふか)し,コペポジット期を経て成体となる。8400種以上が知られ,次の7目に分類されている。カラヌス目Calanoida(前・後体部の境は第6と7胸節間にある。海に多く,淡・汽水産種もある。自由生活)。キクロプス目Cyclopoida(前・後体部の境は第5と6胸節間。多くは淡・汽水産。海ではおもに沿岸産。寄生性種もある)。ハルパクチクス目Harpacticoida(前・後体部の境は第5と6胸節間。海産,汽水産,淡水産。湿地にも生息,おもに底生,浮遊および寄生性の種類もある)。ホヤノシラミ目Notodelphyoida(前・後体部の境は第4と5胸節間。ホヤ類の体内に寄生。他の無脊椎動物に内部寄生または共生)。モンストリラ目Monstrilloida(幼生はゴカイ類の体内に寄生,成体は自由生活)。ウオジラミ目Caligoida(前・後体部の境は第4と5胸節間。ウオジラミ,イカリムシなど,海・淡水魚の外部寄生虫)。ナガクビムシ目Lernaeopodoida(体節構造は不明りょう。魚の体表,口腔内に寄生。ウニ,カニ,ゴカイなど他の無脊椎動物にも寄生)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「橈脚類」の意味・わかりやすい解説

橈脚類
とうきゃくるい

節足動物門甲殻綱に属する小動物の総称。分類学的には亜綱Copepodaとして扱われる。慣用的に「どうきゃく類」とよばれるが、「ぎょうきゃく類」「じょうきゃく類」などともよばれ、また最近は、わかりやすくするため「かいあし類」ともよぶ。6000種以上が知られているが、海産の浮遊性自由生活種が断然多く、数千メートルの深海まで分布している。カラヌス目、ハルパクチクス目、キクロプス目、ホヤノシラミ目、モンストリラ目、ウオジラミ目、ナガクビムシ目に分けられ、体長は一般に1~4ミリメートルである。体は長楕円(ちょうだえん)形の前体部と細長い後体部からなる。前体部は頭部と第1~第5胸節からなり、後体部は雌では4節、雄では5節からなる。後体部の末節に続いて叉肢(さし)が分枝する。寄生生活種では体形が著しく変化して、一見それが橈脚類とは思えないことがしばしばある。橈脚類は動物プランクトン中で種数、個体数とも断然多く、水平・垂直分布も広く、魚類の天然餌料(じりょう)として非常に重要である。

[武田正倫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「橈脚類」の意味・わかりやすい解説

橈脚類
じょうきゃくるい

「カイアシ類」のページをご覧ください。


橈脚類
ぎょうきゃくるい

「カイアシ類」のページをご覧ください。


橈脚類
とうきゃくるい

「カイアシ類」のページをご覧ください。

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