精選版 日本国語大辞典 「歌・謡・唄・謳」の意味・読み・例文・類語
うた・う うたふ【歌・謡・唄・謳】
[1] 〘他ワ五(ハ四)〙
① 声に節を付けて歌詞を唱える。
(イ) ことばを引き延ばしたりして節を付けて声を出す。楽器に合わせるのを正式とする。
(ロ) 詩歌を作って吟じる。また、詩歌を作る。詠じる。
② 盛んに言いたてる。
(イ) 多くの人がほめたたえる。楽しんで声を出す。謳歌(おうか)する。
※平家(13C前)五「都鄙遠近隣民親疎、堯舜無為の化をうたひ」
(ロ) 評判をたてる。うわさする。→謳(うた)われる。
(ハ) 目だつように主張する。書類などにはっきり書き記す。
③ 物を言う。話す。
[2] 〘自ワ五(ハ四)〙
① (比喩的な用法として) 高い声を出す。調子のついた音を出す。
(イ) 鳥、虫などが鳴く。特に、鶏が時を告げる。
※清輔集(1177頃)「天の戸をおし明け方にうたふなりこや鶯の朝倉の声」
(ロ) 悲鳴をあげる。泣く。
※歌舞伎・花雪恋手鑑(1833)下「もし金がなけりゃ引摺(ひきず)って行てうたはすのぢゃ」
(ハ) 川などが小さな音を立てる。
※草根集(1473頃)四「川の瀬にうたふさざ浪露かけて木陰涼しき蝉の諸ごゑ」
② 悪くなることをいう、文政期(一八一八‐三〇)の大工仲間の隠語。
※新ぱん普請方おどけ替詞(1818‐30頃か)「わるなるを、うとう」
③ 死ぬ。また、倒産する。
④ 白状することをいう、てきや、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集(1892)〕
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