日本大百科全書(ニッポニカ) 「比布」の意味・わかりやすい解説
比布(町)
ぴっぷ
北海道中央部、上川(かみかわ)総合振興局管内の町。1962年(昭和37)町制施行。JR宗谷(そうや)本線、国道39号、40号が通じる。地名は比布川をさすアイヌ語に発し、その語義はピピペツ(石多き川の意)などと解されている。上川盆地の北部に位置し、石狩川本流が南東縁を流れ、北縁の塩狩峠付近に発する山嶺(さんれい)支脈が旭川(あさひかわ)市北部との境界をなしている。この山嶺の南端部突哨山(とっしょうざん)は石灰岩が採掘され、また民営の男山自然公園があり、カタクリの群生地として知られる。町は1891年(明治24)以降の植民区画後開拓が進み、水田中心の農村として発展した。現在も米作を主とするが、古くからイチゴ生産が知られ、アスパラガス、ホウレンソウなどの野菜やメロンなどの生産が増加している。北嶺山北西麓(ろく)に町営のぴっぷスキー場がある。塩狩峠は三浦綾子の同名の小説で名が知られる。面積86.90平方キロメートル、人口3520(2020)。
[岡本次郎]
『『比布町史』第2巻(1964、1985・比布町)』▽『『比布町史』第3巻(1997・比布町)』