水圧機(読み)スイアツキ

デジタル大辞泉 「水圧機」の意味・読み・例文・類語

すいあつ‐き【水圧機】

水圧利用して仕事をする機械総称水圧プレス・水圧ポンプ・水圧ジャッキなど。

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精選版 日本国語大辞典 「水圧機」の意味・読み・例文・類語

すいあつ‐き【水圧機・水圧器】

  1. 〘 名詞 〙 水の圧力を利用してプレス圧延鍛造切断搾油、押し上げなどの仕事を行なわせる機械。パスカル原理を利用し、小さな力から大きな力を得る。〔工学字彙(1886)〕
    1. [初出の実例]「海水の船底に突入し来る勢は恰も水圧器を以て押上ぐるが如し」(出典:浮城物語(1890)〈矢野龍渓〉三六)

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改訂新版 世界大百科事典 「水圧機」の意味・わかりやすい解説

水圧機 (すいあつき)

油や水を媒介として小さい力を大きい力に拡大させる機械。閉容器内の液体の一部に圧力を加えると,同じ大きさの圧力が液体のすべての部分へ伝達されるというパスカルの原理を応用したものである。図に示すような断面積がそれぞれSASB(ただしSASB)の二つの大小シリンダーを管で連結したものを考える。ピストンA,Bをシリンダーにはめ,内部に水を入れてAの上からFAの力を加えると,pAFA/SAなる圧力が生じ,Bの下側からはpB(=pA)の圧力で押し上げることになる。Bの上部からFBの力を加えつり合ったものとすると,pBFB/SBであるから,FBFASB/SAである。すなわち,Aに加えた力がSB/SA倍に拡大されることになり,SB/SAを大きくすれば,FBFAより著しく増大させることができる。この原理は水圧プレスや水圧ジャッキなどいろいろな用途に用いられ,数万tの力を出すものもある。水圧機の名があるが,流体としては漏れを少なくするため油を用いることが多い。なお,加圧部分には容積型の油圧ポンプを使用することも多い。
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百科事典マイペディア 「水圧機」の意味・わかりやすい解説

水圧機【すいあつき】

液体(水や油)を使いパスカルの原理の利用により小圧力から大圧力を生じさせる機械。鍛造プレスでは5万tの力を加え得るものもある。ほかに水圧プレス,水圧ジャッキなどがある。

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世界大百科事典(旧版)内の水圧機の言及

【パスカルの原理】より

…流体が運動しているときは成り立たない。水圧機はこの原理を応用して,小断面積S1の流体に加えたわずかな力K1pS1(pは圧力)で,これと流体で結ばれた大断面積S2(S2S1)に大きな力K2pS2を静的に生じさせる装置である。水圧機【橋本 英典】。…

※「水圧機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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