永久寺跡(読み)えいきゆうじあと

日本歴史地名大系 「永久寺跡」の解説

永久寺跡
えいきゆうじあと

[現在地名]天理市杣之内町

杣之内そまのうち町の東部、山辺やまのべの道沿いの本堂ほんどう池を中心とする一帯にあったが、明治の廃仏毀釈廃絶。山号は内山、院号は金剛乗こんごうじよう院。真言宗で本尊阿弥陀如来。永久年間(一一一三―一八)鳥羽院の勅願によって創建され、寺号はその年号に由来、山内四〇余の堂塔伽藍を擁する名刹であった。

〈大和・紀伊寺院神社大事典〉

〔創建〕

開基は、文保元年(一三一七)の内山寺置文(東京国立博物館蔵)や内山記(お茶の水図書館蔵)本願僧都頼実とある。また菅家本「諸寺縁起集」には「永久寺号内山寺、件寺者、永久二年、依鳥羽院勅、頼実法印建立、大乗院本願隆禅法印弟子也、真言開白小野(永尋カ)真乗房、別当ハ尋範大僧正、本堂本尊阿弥陀」とみえる。さらに「大乗院寺社雑事記」康正三年(一四五七)四月二九日条には、「内山永久寺、此寺ハ為鳥羽院御願永久年中建立、本願二人アリ、尋範大僧正・頼実僧都□□□□也、尋範ヨリ菩提山本願信円ニ相伝、其後代々当門跡知行也」と記し、本願は尋範・頼実の二人としている。


永久寺跡
えいきゆうじあと

[現在地名]八戸市山伏小路

山伏やまぶし小路の北東に位置する。真言宗。寛保四年(一七四四)の諸寺院寺号山号帳(八戸市立図書館蔵)に「一拾石外三人扶持 自在山豊山寺末寺 揚柳山永久寺」とある。「八戸藩史料」によれば貞享(一六八四―八八)の頃河原木かわらぎ村の田中たなか観音を移して永久寺と改称したものという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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