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池宮彰一郎 イケミヤショウイチロウ

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デジタル大辞泉の解説

いけみや‐しょういちろう〔‐シヤウイチラウ〕【池宮彰一郎】

[1923~2007]脚本家・小説家。東京の生まれ。本名、池上金男。映画「十三人の刺客」「嵐を呼ぶ男」、テレビドラマ「必殺仕掛人」「大岡越前シリーズの脚本で知られる。小説「四十七人の刺客」で新田次郎文学賞受賞。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

池宮彰一郎 いけみや-しょういちろう

1923-2007 昭和後期-平成時代の脚本家,小説家。
大正12年5月16日生まれ。戦後脚本家となる。映画「十三人の刺客」「大殺陣」,テレビドラマ「必殺仕掛人」「大岡越前」シリーズなどのシナリオで知られ,平成4年シナリオ功労賞。5年小説「四十七人の刺客」で新田次郎文学賞をうけた。平成19年5月6日死去。83歳。東京出身。沼津商業卒。本名は池上金男。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

池宮彰一郎
いけみやしょういちろう
(1923―2007)

小説家、脚本家。東京生まれ。本名池上金男(いけがみかねお)。静岡県立沼津商業高等学校卒業。第二次世界大戦中は満州(中国東北地方)で現地召集、3年間の陸軍生活を送る。このときの体験は、文芸評論家縄田(なわた)一男(1958― )によれば「それは、満州・沖縄・台湾を経てパラオの独立混成第三十大隊に属し、三千人が二十三、四人になってしまったペレリュー島逆上陸作戦を生き延び、更に台湾に戻って、近海で乗っていた輸送船が撃沈され、九百人中、八、九人だけが救助された中の一人であったり、或(ある)いは空襲で三時間余生き埋めにされたりと、正に苛烈(かれつ)の一語に尽きる」(『風塵(ふうじん)』文庫版解説)ものであった。
 敗戦後の1949年(昭和24)、新東宝のシナリオ研究生となり、大映を経て脚本家として独立、大手映画会社6社の作品に携わり、63年『十三人の刺客(しかく)』『大殺陣』で京都市民映画祭脚本賞を受賞。映画脚本の代表作には『栄光への挑戦』『嵐を呼ぶ男』(ともに1966)、『無頼 人斬(き)り五郎』(1968)、『雲霧(くもきり)仁左衛門』(1978)などがある。79年本名で最初の小説『限りなき一つの道』を発表。戦没者遺族の団体日本民主同志会を結成した松本明重(あきしげ)(1914―90)をモデルにした、1000枚を超す堂々たる伝記小説であった。
 1992年(平成4)、池宮彰一郎名義で初めて著した時代小説『四十七人の刺客』で新田次郎文学賞を受賞、また同作は山本周五郎賞の候補にもあげられた。94年『高杉晋作』「千里の馬」で直木賞候補となるが受賞は逸する。98年『島津奔(はし)る』で柴田錬三郎賞受賞。
 これら池宮作品の根底に流れているテーマと思いは、歴史を真正面から描きながらも、その「歴史」は本当に志に殉じた者たちに報いてきたかという素朴な疑念である。そうした思いを結晶化しようとするとき、池宮はときに史料をほとんど無視する形で作品を書き上げることもあった。たとえば『四十七人の刺客』は忠臣蔵ものの一つだが、この歴史的事件について書く場合、目を通しておかなければならない史料は数百にも及ぶという。しかし池宮は、従来の史料にもとづいた挿話を完全に削除したところから構想を始めるのである。もちろんまったくの想像ではなく、あらゆる史料を渉猟し、目を通したうえで歴史を再構築していくのだ。それは、史料の記述と実際に起こった出来事との間に横たわる違和感のようなものを、本能的にかぎとっていたせいかもしれない。自らの戦争体験にしても、名もない多くの仲間たちが次々と死んでいく現実を目の当たりにしながら、その後編纂(へんさん)された史料にはそうした悲惨さが充分に伝わっていないもどかしさがあった。池宮が描く武将や剣客たちには、そんなかつての戦友の面影がにじみ出ている。そのため池宮作品の登場人物は、おしなべてすがすがしく、かつまた覇気に富んでいながら、どこかしら寂寥(せきりょう)感のある人物となっている。
 2002~03年『遁(に)げろ家康』(1999)と『島津奔る』が、司馬遼太郎の『覇王の家』(1973)、『関ヶ原』(1966)と類似した記述が多くあるということで回収・絶版となる事件が起きるが、けっして作品の質そのものが問われたわけではない。その後歴史小説『平家』(2002~03)を発表、作家としての実力を改めて示した。[関口苑生]
『池上金男著『限りなき一つの道』(1979・祥伝社) ▽『平家』上中下(2002~03・角川書店) ▽『四十七人の刺客』『島津奔る』(新潮文庫) ▽『高杉晋作』(講談社文庫) ▽『遁げろ家康』(朝日文庫)』

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