日本大百科全書(ニッポニカ) 「汪東興」の意味・わかりやすい解説
汪東興
おうとうこう / ワントンシン
(1916―2015)
中国の政治家。江西(こうせい)省弋陽(しょうよう)県出身。1927年毛沢東(もうたくとう/マオツォートン)が創立した江西省井岡山(せいこうざん)遊撃区で少年勤務兵となる。1934年長征に参加。延安(えんあん)で中国共産党要人の警護係を務めた。1949年政務院秘書庁警衛処長。1949年末毛沢東訪ソに随行。1955年末公安部次官、1958年江西省副省長。1966年劉少奇(りゅうしょうき/リウシャオチー)に随行してパキスタンなどを訪問。1967年中央警衛連隊長、党弁公庁主任に就任、特務の責任者となる。1973年党政治局委員。1976年第一次天安門事件を弾圧。1976年10月「四人組」打倒に協力。1977年党副主席となるが、1978年三中総会で毛沢東盲信の誤りを非難され、1980年2月党中央委員に降格された。1982年12回党大会で中央委員候補最末席になり、1985年から党中央顧問委員となった。
[高市恵之助・渋谷 司]