沙苑文化(読み)さえんぶんか(英語表記)Sha-yuan culture

百科事典マイペディア 「沙苑文化」の意味・わかりやすい解説

沙苑文化【さえんぶんか】

中国,陝西省南東部の朝邑(ちょうゆう)・大茘(だいれい)付近の砂丘で発見された狩猟文化。細石核・細石刃などの細石器石鏃(せきぞく)・掻(そう)器・尖頭(せんとう)器の剥片(はくへん)石器からなる石器群,獣骨が多数出土した。石器製作技術の点で旧石器時代様相を残す一方仰韶文化竜山文化とは異なる石器群であることから中石器時代から新石器時代初期の過渡的文化と考えられる。

沙苑文化【しゃえんぶんか】

沙苑(さえん)文化

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沙苑文化」の意味・わかりやすい解説

沙苑文化
さえんぶんか
Sha-yuan culture

中国陝西省東部の沙苑地方で発見された旧石器時代から新石器時代への過渡期の文化。この文化に属する遺跡は,1955,56年に,黄河三門峡ダム建設工事の際,陝西省南部の朝邑県と大茘県の境界地帯の砂丘で発見された。遺跡の数は 15地点が数えられるが,遺物はすべて表面採集のものである。採取された大部分の遺物は,石器と剥片で,ほかに獣骨片と骨製,貝製,石製の装身具がそれぞれ1点ずつある。土器片は発見されなかった。石器群は,細石器とやや大型の尖頭器の2つのグループに分けられる。前者のグループには,円錐形,円柱形,扁錐形の各種細石核,細石刃,石槍,石鏃,スクレーパーがあり,後者には5~6cmの長さの尖頭器が含まれている。

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