20世紀日本人名事典 「河野兵市」の解説
河野 兵市
コウノ ヒョウイチ
昭和・平成期の冒険家
- 生年
- 昭和33(1958)年4月12日
- 没年
- 平成13(2001)年5月24日
- 出生地
- 愛媛県西宇和郡瀬戸町
- 学歴〔年〕
- 三崎高卒
- 経歴
- 実家はミカン農家。三崎高ではサッカー部員。高校卒業後、大阪市内の会社に就職するが、19歳で退職し、アルバイトをしながら冒険を続ける。昭和53年20歳の時3ケ月かけ自転車で日本一周。55年自転車での世界一周を目指し、日本を出発。台湾、オーストラリアなどを経て、アラスカ入りし、2000キロのユーコン川を筏とゴムボートで下り、マッキンリー、アコンカグアなど6000メートル級の山に登頂。北米、南米の3大陸3万5000キロを走破した。このほか3大市民マラソンを完走、アメリカ大陸5500キロ、日本縦断3300キロを徒歩で横断した他、62年夏には登山家の玉田仁、早坂敬二郎とナンガパルバットに挑戦、大怪我を負いながら自力下山して生還した。平成2年11月〜3年3月リヤカーを引いてアルジェ(アルジェリア)〜ロメ(トーゴ)間のサハラ砂漠5000キロ縦断に成功。7年カナダからソリを引き北磁極まで踏破。9年3月〜5月カナダのワードハント島から北極点まで約800キロを日本人では初めて単独徒歩到達に成功(世界では3人目)。13年3月北極点から故郷・愛媛までカナダ、アラスカ、サハリンを経由して約1万5000キロの行程を徒歩とシーカヤックで進む旅に出発したが、5月17日カナダ北部の北極海の氷上で消息を絶ち、消息不明から7日目にワードハント島から約80キロ北極点寄りの氷原で遺体で発見された。“植村(直己)2世”と呼ばれた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報