泉崎(読み)いずみざき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「泉崎」の意味・わかりやすい解説

泉崎(村)
いずみざき

福島県中南部、西白河郡(にししらかわぐん)にある村。白河市の北東に位置し、JR東北本線、東北自動車道、国道4号に沿う農村であるが、台地上には工場の立地も多い。天王台ニュータウンなど宅地が造成されている。矢吹原(やぶきがはら)の南縁を占め、地味の豊かな谷底平野も広く、羽鳥(はとり)用水灌漑(かんがい)地域。農業が主産業で米作を中心に畜産や野菜栽培も行われている。縄文期、弥生(やよい)期の遺跡が多く、その後の泉崎横穴墓群(国史跡)や関和久官衙遺跡(せきわぐかんがいせき)(国史跡)、阿弥陀(あみだ)信仰を示す観音山磨崖供養塔婆群(かんのんやままがいくようとうばぐん)や近隣の信仰を集める烏峠稲荷(からすとうげいなり)神社がある。面積35.43平方キロメートル、人口6213(2020)。

[渡辺四郎]


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改訂新版 世界大百科事典 「泉崎」の意味・わかりやすい解説

泉崎[村] (いずみざき)

福島県南部,西白河郡の村。人口6802(2010)。白河市に隣接し,南端阿武隈川,中央を泉川が東流する。村の西半は烏峠をはじめとする丘陵からなり,東半の台地に集落が分布する。泉川と阿武隈川沿いに水田が開け,畜産,葉タバコ,蔬菜の栽培も行われる。1896年東北本線の泉崎駅が設置され,泉崎が中心集落となる。従来純農村であったが,企業誘致などにより人口は減少から増加に転じた。古くから開かれた地で,縄文~弥生時代の遺跡や古墳が多く,泉崎駅東方には,朱で描かれた壁画をもつ泉崎横穴古墳(史),南部の阿武隈川北岸には古代の白河郡衙跡とみられる関和久遺跡,北部を通る東北自動車道路沿いの踏瀬には観音山磨崖供養塔婆群がある。
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