日本大百科全書(ニッポニカ) 「法華津峠」の意味・わかりやすい解説
法華津峠
ほけつとうげ
愛媛県南部、西予(せいよ)市宇和町地区と宇和島市吉田町地区の境界にある峠。「法花津」とも記し、「ほけづ」ともいう。標高412メートル。東西に走る法華津山脈の鞍部(あんぶ)にある。宇和島街道(国道56号)が峠を越えていたが、現在は峠下のトンネルを国道56号とJR予讃(よさん)線が通過している。峠の南斜面は仏像(ぶつぞう)構造線の断層崖(がい)で、中生代四万十(しまんと)層群の砂岩、頁(けつ)岩からなり、北側は秩父中・古生層の砂岩、粘板岩からなる。峠には展望台があり、そこからは宇和海のリアス海岸が一望でき、足摺(あしずり)宇和海国立公園の一部となっている。また、賛美歌404番からとられた「山路越えて」の詩碑が立つ。
[深石一夫]