愛媛県西部、宇和海にある島。宇和島市に属し、市街地の西22キロメートルにある。面積4.01平方キロメートル。承平(じょうへい)・天慶(てんぎょう)の乱(935~940)の海賊首領藤原純友(すみとも)の本拠地であった。島の山頂に城砦(じょうさい)跡の石垣が残っており、「藤原純友籠居の跡(ふじわらのすみともろうきょのあと)」の記念碑がある。江戸時代には宇和島藩の流刑地であった。北西の季節風を避け、東側の湾頭に北から能登(のと)、明海(あこ)、喜路(きろ)の漁業集落が並ぶ。足摺(あしずり)宇和海国立公園の一部で、夏季は海水浴客が多い。タイやグレなどの磯釣りも盛ん。宇和島港からの定期船便がある。人口442(2009)。
[深石一夫]
豊後水道の中央,宇和海上に浮かぶ島。愛媛県宇和島市に属し,面積3.25km2,人口421(2010)。能登,明海(あこ),喜路の3集落がある。無人島の沖ノ島,横島,御五神(おいつかみ)島などを属島とし,それらを合わせると5.14km2。936年(承平6)藤原純友の一党が船1000余艘を擁し,この島に屯集したと《日本紀略》にみえる。近世以来イワシ網漁が盛んで,網主でもあった庄屋の清家氏は島の開発を進め海運業も営み,〈島大名〉と称された。1949年デラ台風で漁船団が遭難,多数の犠牲者を出した。過疎化が進むが自然景観にめぐまれ,大部分が足摺宇和海国立公園に含まれる。沖ノ島にはハマユウや亜熱帯性植物が群生する。
執筆者:門田 恭一郎
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