日本歴史地名大系 「津宮村」の解説
津宮村
つのみやむら
- 千葉県:佐原市
- 津宮村
〔中世〕
香取神宮の東に広がる谷津の香取海への出口部分にあたり、発達した砂洲上に立地した香取社領。弘安二年(一二七九)一〇月一四日の分飯司職年中行事勤役注文写(香取文書、以下中世の記述では断りのない限り同文書)に「津宮の大橋」とみえ、一一月六日の
延文三年(一三五八)五月一日の香取九ヵ村注文に「津宮内ほつ川」とみえ、「ほつ川」は地内の字堀川のことと思われる。応安七年(一三七四)大禰宜大中臣長房は津宮津など下総や常陸の諸浦の海夫に対する千葉介満胤らとその庶子らによる押領を訴え、鎌倉府は満胤および一族庶子の地頭らの知行分にかかわる押領を止めるよう命じている(同年九月二七日鎌倉府奉行人連署奉書写など)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報