津田助広(読み)ツダスケヒロ

デジタル大辞泉 「津田助広」の意味・読み・例文・類語

つだ‐すけひろ【津田助広】

江戸前期の刀工
初世播磨はりまの人。通称弥兵衛。世に「そぼろ助広」とよばれた。生没年未詳。
(2世)[1637~1682]摂津の人。通称、甚之丞。初世の養子越前守と称し、井上真改と並ぶ名工大坂新刀の第一人者で、濤瀾刃とうらんばとよばれる独特の刃文はもんを創始した。

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精選版 日本国語大辞典 「津田助広」の意味・読み・例文・類語

つだ‐すけひろ【津田助広】

  1. 江戸前期の刀工。
  2. [ 一 ] ( 初代 ) 播磨(兵庫県)の人。大坂に出て初代河内守国助の門に学ぶ。「そほろ」と添銘のある作品があるところから「そぼろ助広」という。寛文三年(一六六三)没。
  3. [ 二 ] ( 二代 ) 摂津(大阪府)の人。通称甚之丞。初代の養子とも実子とも。初代没後越前守を受領濤瀾(とうらん)という独特の刃文を創始して一世を風靡した。寛永一四~天和二年(一六三七‐八二

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朝日日本歴史人物事典 「津田助広」の解説

津田助広(2代)

没年:天和2.3.14(1682.4.21)
生年:寛永14(1637)
江戸前期の刀工。摂津国打出村(芦屋市)生まれ。初代津田助広の次男あるいは養子で,寛文3(1663)年,初代助広が没すると2代目助広となり,初代の越前守の官名も継ぎ,寛文7年には大坂城代青山因幡守宗俊の抱え工となった。初代助広が丁字乱れの刃文を焼いたのに対し,2代は波濤をかたどった沸の深く付いた濤瀾刃と呼ばれる刃文を創始した。見た目にも美しいこの刃文は一世を風靡し,同時代の井上真改と共に大坂新刀を代表する名工と評される。この濤瀾刃は大坂鍛冶に大きな影響をおよぼし,弟子の助直はじめ越後守包貞,一竿子忠綱など,この濤瀾刃を焼く刀工が多く出た。<参考文献>飯田一雄『越前守助広大鑑』

(原田一敏)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「津田助広」の意味・わかりやすい解説

津田助広
つだすけひろ

[生]寛永14(1637)
[没]天和2(1682).大坂
江戸時代初期の大坂新刀の名工。江戸の虎徹 (こてつ) と並び称される。通称,甚之丞。初代助広の養子。明暦3 (1657) 年越前守を受領。はなやかな濤瀾乱刃 (とうらんみだれば) の創始者。初め楷書銘,延宝2 (74) 年から草書銘に改め前者を角津田,後者を丸津田と称する。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「津田助広」の解説

津田助広(2代) つだ-すけひろ

助広(すけひろ)(2代)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「津田助広」の意味・わかりやすい解説

津田助広
つだすけひろ

助広

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