藻場を形成するような海草・藻類がいろいろな原因で成育基盤を離れ,これらが寄り集まって漂流することがある。この集りを流れ藻という。海藻の種類によって漂流後の寿命が異なり,内湾のアマモなどは多く短期間で消失してしまう。したがって,流れ藻の構成種はそう多くない。ホンダワラ類は2~3ヵ月生き続け,量的にも多く,広い海域に出現する。サルガッソー海(藻海)は海面を流れ藻が埋めつくしている特殊な水域だが,この構成種はもともとはヨーロッパやアフリカの沿岸で着生生活を送るホンダワラの種類が,海面での浮遊生活でも生活史を全うできるようになった変種である。太平洋ではこういった流れ藻はいまだ認められていない。流れ藻は,アジ類,ブリあるいはイシダイ,イシガキダイ,メダイなど多くの種の幼稚魚の成育に欠かせない場であり,水産的にも重要である。またハナオコゼのように,流れ藻にすんで,集まる魚を捕食している種もある。オキナガレガニ,オキウミウシなどさまざまな無脊椎動物も流れ藻に生活し,独特の群集を形成している。
執筆者:清水 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
立春から数えて 88日目で,現行暦では5月2日頃にあたる。八十八夜を過ぎればもはや晩霜も終りになるので,農家ではこれを種まきや茶摘み,その他の農作業開始の基準としている。日本では明暦3 (1657) ...