家庭医学館 「流暢さを欠いた発話」の解説
りゅうちょうさをかいたはつわ【流暢さを欠いた発話】
また、発話の速度が過度に速くなり、音の省略やゆがみが著しくなって、明瞭(めいりょう)に聞きとれなくなる状態を、速話症(そくわしょう)といいます。
これらは、流暢性の障害と考えられ、発話が円滑に進行しなくなってしまいます。
精神の緊張などのストレス下で症状が悪化することが多く、吃音という症状そのものがストレスになって、ことばの症状をさらに悪化させることもあります。
原因は、現在のところ不明ですが、中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)の微細な障害、ストレスに対する心因反応、子どもの言語発達過程での言語機能と発話機能のアンバランスなど、複数の要因が関与していると考えられています。
いずれにせよ、発語器官や中枢に明らかな神経症状はみられず、小脳失調(しょうのうしっちょう)などでおこる運動障害性構音障害による非流暢性の発話とは区別して考えられます。
幼児の発達過程で一時的にみられる吃音は、そのことが子どもの情緒不安の原因とならないように、経過をみてゆくことがたいせつです。
これが長期にわたり、将来、固定するおそれがあるときや、成人の吃音は、専門家による適切な対応を考えることも必要です。
ストレス、心因反応に対する精神科的なアプローチ、言語聴覚士による発話の緊張緩和、呼吸法などの対応が工夫されています。