浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]左京区浄土寺〈石橋町・打越町・大山町・上馬場町・上南田町・広帖町・小山町・下馬場町・下南田町・真如町・提灯山町・七廻り町・西田町・馬場町・東田町・南田町〉・銀閣寺町・銀閣寺前町
鹿ヶ谷村の北、白川村の南に位置し、東は如意ヶ嶽を負い、西は神楽岡で吉田村と境する。白川に沿って南北に開ける崩壊砂土地帯で、南西に向かって緩やかに傾斜する高燥な土地である。応仁年間(一四六七―六九)以後耕作者が村落を形成し、浄土寺村を称したという(坊目誌)。村名はこの地にあった浄土寺にちなみ、葬地でもあったらしい(日本紀略)。古くは「和名抄」所載の愛宕郡上粟田郷の地。中世は門跡寺院・公家の入組支配であった(京都府愛宕郡村志)。享保一四年(一七二九)の山城国高八郡村名帳には、春日局供料であった麟祥院領一五〇石を最高とし、真如堂領(一〇五石)・禅林寺領(四三石)・知恩院領(三七石)・金戒光明寺領(二五石)・梨木三位家領(二五石余)・徳大寺家領(一〇石余)・南禅寺領(三石余)・立入家領(三石余)・青蓮院領(二石余)・御蔵入領(三九石余)など一一の寺院、公家領に分れ、村高は四四三石余と記される。
浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]近江八幡市浄土寺町
倉橋部村の南東にあり、雪野山山塊の北部、安吉山の南西麓に位置する。村の南端沿いを日野川が流れ、対岸は庄村・林村(現蒲生郡竜王町)。永禄一一年(一五六八)織田信長は六角氏を破って近江を掌中におさめ、六角氏旧領に対して指出を求めたが、同年一〇月一四日「浄土寺」「竹林寺」のほか林村又衛門・在牧(新巻)庄・庄村などは指出に私曲のない旨を約した誓約状(案、左右神社文書)を信長の奉行村井貞勝・丹羽長秀に提出している。天正四年(一五七六)一〇月二九日、浄土寺などが尾張兼松正吉に宛行われた(「織田信長朱印状」兼松文書)。寛永一〇年(一六三三)山城淀藩永井氏領となり、寛永石高帳では高三七〇石余、慶安二年書上によると田三二四石余・畑屋敷一六石余・永荒二九石余。
浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]勝山市村岡町浄土寺
法恩寺山(一三五六・七メートル)の西、湯の谷への入口部、浄土寺川扇状地の扇頂部に位置する。天文八年(一五三九)一〇月一八日の平泉寺賢聖院々領所々目録(平泉寺文書)に「浄土寺」の名がみえる。村名は正保郷帳にみえ、田方四二八石余・畠方六二石余、慶長一一年(一六〇六)頃の越前国絵図記載の五本寺村高はのちの五本寺村と浄土寺村の合計石高にほぼ匹敵するので、当村は五本寺村から分村したと思われる。慶長五年から福井藩領、寛永元年(一六二四)勝山藩領、正保元年(一六四四)幕府領で福井藩預地、貞享三年(一六八六)幕府直轄領、元禄四年(一六九一)以降勝山藩領となった。
浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]安濃町浄土寺
安濃川右岸の平地部にあり、妙法寺村の北にあたる。集落は村のほぼ中央にある。「神鳳鈔」に「浄土寺二丁二反」と出る。江戸時代を通じて津藩領であった。寛延(一七四八―五一)頃の戸数五九、ほかに郷士一、人口二六一、牛一二。神祠に三王(二坐)・正八幡、寺院に西願寺・延命寺があった(宗国史)。明治五年(一八七二)の村明細帳(徳川林政史蔵)には戸数六九、人数二八三(男一三三・女一五〇)、左官・大工・医師・馬苦労各一、馬四、牛一三。
浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]小杉町浄土寺
上野村南方の丘陵地帯に立地し、西は下条川を挟んで青井谷村、東は入会地。「越中志徴」は、地名は古代に秦河勝が一国に一院を置いたうちの越中浄土寺に由来すると記すが、もとより伝説の類である。正保郷帳に「柴山浄土寺村」とみえ、高四八五石余、田方二六町三反余・畑方六町余。寛文三年(一六六三)の役家数一五、うち肝煎家一(「川西家高付帳」川合家文書)。同一〇年の村御印では草高五一四石・免四ツ、ほかに新田高二八石、小物成は山役一貫七九匁・川役三匁(三箇国高物成帳)。
浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]高野口町応其
紀ノ川中流域右岸にあり、南は伏原村。北部山中に木食応其によって築造された引ノ池がある。「続風土記」は「浄土寺の名詳ならす、村中に蓮華寺あり、浄土寺は廃寺か又は蓮華寺の旧名か今伝ふる所なし」と記す。中世は高野山領官省符庄上方に属した地であった。慶長検地高目録には村名はみえず、伏原村に含まれていたと思われる。
浄土寺村
じようどじむら
[現在地名]福井市浄土寺町
丹生山地の北縁、上野村の東に位置する。応永二二年(一四一五)の竜沢寺聞本置文(竜沢寺文書)に「第四 越前浄土寺 曇瑚首座」と寺名が記される。この地にあった寺院と思われる。村名は慶長六年(一六〇一)の由木照盛・大町直政連署状(林文書)にみえる。正保郷帳によると田方二六七石余・畠方一〇一石余。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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