あさまかざん
浅間火山
Asama volcano
長野・群馬県境にある第四紀の複合火山。気象庁の活火山名は浅間山。海抜2,568m。基盤は不明だが,フォッサマグナ東縁部を占める新第三紀の火山物質に富む海成層(中新世)と,主として陸成火山物質よりなる地層(鮮新世)からなると推定。烏帽子火山群の東端の高峰成層火山の東に,一部重複して10万~5万年前ころに黒斑くろふ火山(古期成層火山)が活動を開始して安山岩質成層火山を形成(噴出量約41km3<)。山頂火口は侵食により拡大され,南西側に蛇堀川の谷を生ずる。22,000年前,山体の東部は大崩壊により破壊され馬蹄形カルデラを形成,塚原および応桑おおくわ岩屑なだれ堆積物を生じ,その直後に降下軽石を噴出して活動を終了。20,000~11,000年前には,さらに東方に偏して,厚い数枚の角閃石輝石デイサイトの仏岩溶岩流が噴出して楯状火山を形成,それと平行して約4km3の輝石デイサイト質軽石が噴出し,主に南と北の山麓に軽石流として流下し,200km2を覆った。この時期,2万年前には黒斑火山の南東山麓で雲場軽石が噴出して離山溶岩円頂丘(デイサイト質)が形成され,18,000年前には東山麓で白糸降下軽石が噴出し小浅間溶岩円頂丘(デイサイト質)が生成。プリニアン噴火により17,000年前と15,000年前に降下軽石と火砕流(大窪沢降下軽石・火砕流1・2)が噴出し,14,000年前ころには板鼻黄色降下軽石(YP)・小諸火砕流1・嬬恋降下軽石(YPk)がこの順に噴出,最後に11,000年前ころに降下軽石と小諸火砕流2が噴出して活動を終了。その後,同じ位置に火口をもつ新期成層火山(複輝石安山岩)の前掛山(噴出量約6km3)が成長し,古い山体をなかば覆い,火山体の最高部を形成した。近年では,1108年の天仁噴火(噴出量1.2km3)で降下軽石・追分火砕流・上舞台溶岩流・降下火山灰・降下軽石が順に活動。1783年の天明噴火(噴出量0.45km3)で降下軽石・吾妻火砕流・鎌原火砕流-岩屑なだれ・鬼押出溶岩流の順に活動し,山頂に釜山火砕丘を形成,北側山麓は火砕流・溶岩流が流下して大災害を被った。前掛外側火口は1108年の追分火砕流の噴出の際に陥没で生じ,その中に中央火口丘釜山が現在成長を続けている。最近の噴火は,すべて釜山の火口底から高温の岩塊や火山灰が爆発的に放出されるブルカノ式噴火。明治以来,地球物理学的研究が詳しく行われ,火山体の傾斜変動や火山性微小地震の頻度などが噴火活動と密接な関係をもつことがわかっている。参考文献:S.Aramaki(1963) J. Fac. Sci.,Univ. Tokyo, Sec.Ⅱ,Vol.14
執筆者:荒牧 重雄・高橋 正樹・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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