海気(読み)かいき

精選版 日本国語大辞典 「海気」の意味・読み・例文・類語

かい‐き【海気・海黄・甲斐かひ絹】

〘名〙 近世初期頃に渡来した中国産の絹布。のちに、甲斐国山梨県郡内地方から産するようになったので、「郡内海気」とも「郡内」ともいった。明治頃からは「甲斐絹」の字があてられている。染色した練絹糸で緻密に織った平織りの絹布で、無地、縞、玉虫等があり、平滑でつやがある。〔日葡辞書(1603‐04)〕

かい‐き【海気】

〘名〙 海の気。海辺空気
※蹈海集(1769)玉函山道中、望伊豆海、擬鎌倉右府之作「玉函山上白雲愁、海気蒼茫傍馬頭」 〔陳子昂‐送著作佐郎崔融等従梁王東征詩〕

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デジタル大辞泉 「海気」の意味・読み・例文・類語

かい‐き【海気/海黄】[織物]

絹織物の一。ふつう縦糸も横糸もともに練り糸を用いた平織。滑らかで光沢がある。近世初期に渡来した中国産で、日本でも甲斐国郡内地方で産するようになり、甲斐絹の字を当てた。夜具地・羽織地などに用いられる。

かい‐き【海気】

海辺の空気。「海気浴」

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普及版 字通 「海気」の読み・字形・画数・意味

【海気】かいき

海のけはい。唐・韓〔臨滝寺に題す〕詩 陽未だ到らざるに、吾(われ)能くく 氣昏昏として、水、天を拍(う)つ

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