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海洋掘削 かいようくっさく ocean drilling

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世界大百科事典 第2版の解説

かいようくっさく【海洋掘削 ocean drilling】

海面上から海底下に坑井を掘削すること。海底トンネルを掘る前の事前地質調査などにも応用されているが,海底下に埋蔵されている石油資源の探鉱・開発を目的とする海洋掘削が最も数が多く,また規模も大きい。当初陸域で開発されていた石油資源の埋蔵範囲が海底部にも延長していることがわかり,海岸からの傾斜掘りによる海底下の油層からの採油,海上部に突き出した桟橋からの坑井による採油などの方法がしだいに増え,さらに,より広い海域のより深い海底下の石油資源を開発すべく本格的な海洋掘削が確立されるに至っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海洋掘削
かいようくっさく

海洋において、人工島やプラットホーム海洋プラットホーム)、あるいは移動式掘削装置から石油井の掘削をすること。海底ボーリングともいう。海底油田開発の初期は海上に人工島やプラットホームを建設して掘削をしたが、油田探査の段階では探査が失敗すると損失が大きいので、移動式掘削装置が用いられるようになった。人工島はほとんど建設されなくなっていたが、北極圏の石油開発のためふたたび極地の環境に耐える人工島が建設されるようになった。
 固定式プラットホームには、掘削装置をすべて搭載しているものと、主要な掘削装置のみを搭載し、補助装置は船に積んでいるものとがある。プラットホームからは、数本または十数本の坑井が傾斜掘で掘削され、掘削が終了するとそのまま採油施設として使用される。固定式プラットホームは浅い海で使用されることが多いが、最近では、油層の存在が確認されている場合は100メートル以上の水深の海でも建設されている。の(1)は人工島、の(2)との(3)はプラットホームを示す。
 1949年以降、移動式掘削装置が建造されるようになった。最初に建造された形式はの(4)に示す着底式掘削装置であった。掘削装置が取り付けられる甲板と、それを支える船体とからなり、目的地点にくると船体に水を入れて海底に着底する。この形式のものは水深数メートルから30メートル程度までに使用されるが、現在はあまり使用されなくなった。の(5)は甲板が昇降するジャッキアップ式掘削装置で、現在浅い海域では広く使用されている。同装置は1953年デロング社のドックで初めて建造された。ジャッキアップ式掘削装置は目的地点にくるまでは脚を持ち上げて甲板で浮上し、目的地点で脚を降ろし、脚が固定されたら甲板が脚を伝わって海面に持ち上がり、掘削作業を行う形式である。日本で最初に建造使用された海洋掘削装置「白竜号」はジャッキアップ式の装置で、1958年(昭和33)に完成し、秋田沖や新潟沖の海底油田開発に用いられた。
 の(6)は半潜水式掘削装置で、現在深い海域の掘削に広く用いられている。同装置の第一号は1961年に着底式の掘削装置を改良してつくられた。半潜水式掘削装置は一般に脚が太くなっており、その下端にタンクを取り付ける構造になっている。目的地点にくるとタンクや脚に水を入れ、海中に脚の途中まで沈める。装置は海に浮かんでいるので、このままでは流されてしまうため、装置の四方にワイヤロープを張り、ワイヤロープの先端につけたアンカーで海底に固定される。コンピュータ技術の進歩により、アンカーを用いず自動位置固定装置を積載し、掘削装置の位置がずれると自動的に装置が移動し正しい位置を保持するシステムもある。北海油田の開発には半潜水式掘削装置が活躍した。日本にも数隻の半潜水式掘削装置があり、1974年に完成した「第三白竜」は水深300メートルの海上で掘削ができる。の(7)は普通の形の船に掘削装置を取り付けた掘削船である。1950年代から使用され始め、水深の浅い海域で使用される小型のものから数百メートルの水深のある海で使用されるものもある。
 海洋掘削は油田開発のほか海底地質調査にも使用されている。[田中正三]

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