消雪道路（読み）しょうせつどうろ（その他表記）roads with snow melting facilities

日本大百科全書(ニッポニカ)

消雪道路
しょうせつどうろ
roads with snow melting facilities

寒冷地の通行の妨げとなる雪や氷を除去する装置が施されている道路。積雪地における道路交通の確保には、一般にプラウ除雪車やロータリー除雪車などによる機械除雪が行われるが、建物が密集する市街地や坂道などでは支障が多い。そのため、あらかじめ消雪装置を施した道路が実現している。消雪の方法は、ほとんどが地下水、地熱、電熱、石油、ガスなどの熱エネルギーを利用した融雪の方法で、消雪パイプ、ロードヒーティング、ヒートパイプ、ヒートポンプなどがある。また、流雪溝のように、側溝に流水を導き、これに除雪された雪を投入して雪を運搬する方法もある。いずれの場合も、地下水やエネルギーの使いすぎ、汚染などの問題に注意しなければならない。

［前野紀一］

[参照項目] | 豪雪 | 除雪車 | 雪害

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

消雪道路
しょうせつどうろ
thawing road

路上の積雪を溶かす設備のある道路。パイプから吹き出す水で溶かす方法と，地下に埋め込んだ電熱線によって路面を暖めて溶かす方法とがある。水を用いる方法は，汲み上げた地下水を道路中央に敷設した有孔パイプから吹き出させるもので，新潟県長岡市，石川県金沢市などで実用化されている。路面を暖める方法は電気道路（ロードヒーティング）といわれ，北海道を中心に用いられている。イギリスではハイウェーの立体交差部などで実用化されている。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典